大量の円オプションの期限迫る-152~155円で介入リスク高まる公算

3/27 12:43 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 約30億ドル(約4600億円)のドル・円オプションの期限が迫り、トレーダーは神経をとがらせている。円が介入の引き金になる水準付近まで下落しているからだ。

神田真人財務官は25日、ここ数カ月で最も強く介入可能性を示した。円相場は34年ぶりの安値、つまり2022年に介入が発動された水準付近で推移している。

28日期限、行使価格1ドル=150円50銭、想定元本28億5000万ドルのドル・円オプションを売ったトレーダーにとっては心配なニュースだ。米証券保管振替期間(DTCC)で決済される今年最大のドル・円オプションの期限になる

トレーダーらはポジションをヘッジする必要がある場合、できる限り動きが小さいことを望むだろう。

野村インターナショナルのFXオプショントレーディング担当グローバル責任者、ルチル・シャルマ氏(ロンドン在勤)は、「オプションの売り手は大きな変動に苦しむ。オプション売りで稼ぐプレミアムは現物の動きをヘッジするコストをカバーしないからだ」と説明。

「大規模なショートストライクでは、ディーラーはスポットエクスポージャーをヘッジする必要がある。皆が同時に動くため価格変動が大きくなる可能性があり、それがさらに損失を拡大させる」と指摘した。

円は今年既に何回もトレーダーを苦しめている。多くのヘッジファンドは24年初めにドル・円が下落すると利益が出るオプションを買っていたが、ドルは年初から3週間で5.5%も上昇した。

ヘッジファンドはその後、日本銀行の利上げで円高になるとの思惑から、今月に同様のオプションを再び購入したが、日銀は利上げと同時に緩和的な姿勢を維持することを約束したため、円は下落した。

ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のG10FXストラテジスト、オードリー・チルドフリーマン氏によると、円は1ドル155円を目指す可能性もある。バンク・オブ・アメリカ(BofA)は152-155円のレンジに達した場合、介入リスクが高まるとみている。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査によると、日本の財務省が介入に踏み切るレベルの予想中央値は1ドル=155円だった。

ストーンXファイナンシャルの通貨トレーダー、呉明賾氏(シンガポール在勤)は、「28億5000万ドルのドル・円オプション取引に注目が集まるだろう。これは大きな額だ」とし、「投資家が円のショートポジションを保有し、さらに介入リスクが高まっていることを踏まえると、円のボラティリティーが高まる可能性がある」と話した。

原題:Big Yen Option Bet Risks Crushing Traders as Intervention Looms(抜粋)

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最終更新:3/27(水) 12:43

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