香港大引:ハンセン0.3%高で反発、中国不動産セクターに買い
29日の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比56.65ポイント(0.29%)高の19423.61ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)も22.17ポイント(0.32%)高の6946.68ポイントと反発した。売買代金は1335億130万香港ドルに拡大している(28日は1082億1550万香港ドル)。
中国の追加経済対策に対する期待感が相場を支える流れ。12月開催予定の「中央経済工作会議」に関し、政府顧問は2025年の経済成長目標について「5%確保」とすることを提案する方針――などと先ごろ報じられる中、当局は目標達成のため、金融・財政政策を強化するとの見方が広がっている。人民元安進行の一服もプラス。中国人民銀行(中央銀行)は29日朝方、人民元レートの対米ドル基準値を前日に続き元高方向に設定した。29日の外国為替市場では、人民元が11月中旬の水準まで上昇している。ただ、上値は限定的。指標発表が気がかりだ。中国ではあす30日に11月の中国製造業PMI(国家統計局などが集計)と非製造業PMI、12月2日に民間集計の財新・中国製造業PMI、4日に財新・中国サービス業PMIが4日に発表される。指数は安く推移する場面もみられた。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、太陽光発電(PV)用ガラス基板メーカーの信義光能HD(968/HK)が4.6%高、マカオ・カジノの金沙中国(1928/HK)が4.4%高、火鍋チェーン最大手の海底撈国際HD(6862/HK)が4.3%高と上げが目立った。
セクター別では、中国の不動産が高い。融創中国HD(1918/HK)が8.3%、旭輝(884/HK)が6.5%、世茂集団HD(813/HK)が4.7%、中国奥園集団(3883/HK)が4.0%ずつ上昇した。
半導体セクターもしっかり。中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が3.4%高、上海復旦微電子集団(1385/HK)が3.1%高、華虹半導体(1347/HK)とASMPT(522/HK)がそろって2.5%高で取引を終えた。
中国の証券セクターも物色される。第一上海投資(227/HK))が8.5%高、招商証券(6099/HK)が6.6%高、申万宏源集団(6806/HK)が3.8%高、中州証券(1375/HK)が3.7%高と値を上げた。
半面、海運・港湾セクターはさえない。中遠海運能源運輸(1138/HK)が2.1%、太平洋航運集団(2343/HK)が1.6%、海豊国際HD(1308/HK)が1.5%、天津港発展HD(3382/HK)が1.6%ずつ下落した。
他の個別株動向では、香港不動産デベロッパー大手の新世界発展(17/HK)が6.0%安で後場途中に取引一時停止。新しく就任した馬紹祥・最高経営責任者(CEO)がわずか2カ月で退任するとの見通しが伝わり、経営不安が浮上している。
一方、本土マーケットも反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.93%高の3326.46ポイントで取引を終了した。ハイテク株が高い。医薬株、消費関連株、軍事関連株、インフラ建設株、不動産株、保険・証券株なども買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
サーチナ
最終更新:11/29(金) 17:44