(ブルームバーグ): 世界中の組み立てラインが活気を取り戻し始めており、数年に及ぶ製造業の不振が反転しつつある。
製造業の回復の兆しは、世界の二大経済大国がけん引している。中国の製造業は今年力強いスタートを切り、経済成長見通しの上方修正につながっている。また、米供給管理協会(ISM)が発表した3月の製造業総合景況指数は市場予想に反し、2022年9月以来の活動拡大を示した。新規受注と生産の指数の上昇が寄与した。
JPモルガンのグローバル製造業購買担当者指数(PMI)は、3月に2カ月連続で活動拡大・縮小の境目である50を上回り、22年7月以来の高水準となった。これが持続すれば、既に米国以外にも広がっている広範で力強い景気回復にさらに弾みがつくだろう。
RBCブルーイン・ドルフィンの市場分析責任者ジャネット・ムイ氏は「製造業PMIは、中国、英国、米国を含む主要国で再び活動拡大を示している」とし、「回復が同時に起きているということは、世界経済の循環的な好転を示唆する良いシグナルである傾向がある」と指摘した。
冷蔵庫や医療機器から防衛分野まで使用される高機能の金属製品を製造する米アーゴン・インダストリーズのオーナー、グレッグ・クレメント氏も、恩恵を受けている1人だ。
「プロジェクトの増加を目の当たりにしている。半年前は良くなかったが、今は2024年内の仕事のパイプラインが極めて好調だ」と語った。
中国の輸出が市場予想よりも大幅に減少し、回復が平たんとはならない可能性を示唆しているものの、製造業の活動は、世界的に広がっていた景気減速から状況が変化していることを示している。
欧州最大の経済大国、ドイツの鉱工業生産指数は今年に入り2カ月連続で上昇。同国がリセッション(景気後退)から脱却できるとの期待を後押しした。日本や韓国を含むアジアの輸出大国も改善を示している。
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原題:Factories Around the World Are Slowly Cranking Into Gear Again(抜粋)
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最終更新:4/15(月) 13:22
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