英語のリスニングが苦手な人の「3つの理由」 ちまたにあるコンテンツを有意義に使うには

4/4 14:02 配信

東洋経済オンライン

「英語を学ぶぞ」とヤル気を出してリスニング用のコンテンツを開くも、まったく聞き取れずにすぐに挫折……。そうした状況から抜け出すためには、自分のレベルに合ったコンテンツを見極める必要があります。その方法について、『[完全版]すごい英語独学』より、一部抜粋・再構成のうえお届けします。

■生きた英語が聞き取れないのには理由がある

 みなさんはネイティブが毎日の生活で話している、生きた英語を聞いたことはありますか。今はYouTubeなどですぐに探すことができるので、リアルな英会話を聞いたことがある人も多いかもしれません。そのとき、ネイティブが何気なく話している英語のスピードが速すぎると感じたことはありませんか?  字幕を見ると知っているフレーズばかりなのに、まったく聞き取れないことは実はよくあることなんです。

 落ち込む必要はありません。それにはちゃんと理由があるのです。

●アクセント
 英単語には、強く発音するところと弱く発音するところ、いわゆる強弱があります。そして疑問詞のWhereは強く発音するなど、文の中でも強弱があります。日本語は比較的強弱のない平坦な言語なので、私たちは言葉に強弱があるということに慣れていません。

●リズム
 英語のリズム(Rhythm)とは強弱+スピードの変化のことです。例えば「What do you think of this dress?」という英文があるとします。この文に使われている単語をすべて知っていても、聞き取れない場合があります。

 リズムは、英会話には不可欠なものですが、単語だけのときと英文のときとで「音」が変化して聞こえるため、私たちには聞き取りにくいと感じてしまいます。

●リンキング
 リンキング(Linking)とは単語と単語が連結して発音されることをいいます。

 「Check it out.」は単語の通りに発音すれば「チェックイットアウト」ですが、リンキングによって「チェッキラ」という音に変わります。このように、自分の知っている単語の音と違う音に変化するため、リスニングは難しいと感じてしまうのです。

 他にも、アナウンサーのように滑舌よく話す人もいれば、そうでなくて滑舌がよくない人もいます。

 このような理由から、リアルな英語は、最初は聞き取りにくいのです。
そこで、まずは、クリアーなリスニング専用の音声コンテンツから始めましょう。私の運営するYouTubeチャンネル「Sakura English」の聞き流し動画などがオススメです。最初のうちは、癖のある実際の会話を聞くよりも、トレーニング用に作られた、クリアーな発音の英語フレーズで慣れていきましょう。

 何度も聞き、アクセント・リズム・リンキングを含めた正しい発音を覚えてしまうのです。リスニングは、場所を選ばずに取り組むことができます。通勤・通学の電車、勉強の合間や家事をしながら……。自分のペースで、ちょっとした時間を使ってリスニングをすることができますね。

■「聞き流し」を「聞き流し」で終わらせない

 Sakura Englishのコンテンツを、もっとも効果的に使うための3つのポイントを紹介します。

 1.今のレベルに合ったものを選ぶこと

 Sakura Englishも含めて、ちまたにはたくさんの英語リスニング用のコンテンツがあります。その中から何を選ぶのかが、大事なポイントです。
最初は短いフレーズで、使われている単語もかんたんなものを選ぶほうがいいでしょう。難しいものを選んでしまうと、まったく聞き取れなかったり、単語をいくつかしか聞き取れなかったりという状態になってしまいます。

 集中すれば80%以上聞き取れるレベルのものを、何度も聞き込むことです。最終的に100%聞き取れるようになったら、少し難しいもの、新しいものを聞くようにしましょう。

 2.集中して聞くこと

 聞き流しというくらいですから、別のことをしながら聞くこともあるでしょう。でも、英会話の上達のために聞くのなら、集中して聞く時間も絶対に必要です。聞くことのみの時間を作ることが英語聞き流し音声を英会話に活かすポイントです。

 3.聞き流しだけの学習をしないこと

 英会話の上達には「インプット」と「アウトプット」の両方が必要です。聞き流しはインプットなので、他のアウトプットとうまく組み合わせて学習する必要があります。

例えばアウトプットの学習としては、以前にご紹介したひとりごとトレーニング、そしてディクテーション、シャドーイング、オーバーラッピングなどがあります。これらのアウトプット学習と組み合わせることで、聞き流しを聞き流しで終わらせずに英会話にしっかりと活かすことができます。

■「集中して聞く」ってどういうこと? 

 3つのポイントをふまえて音声や動画などのコンテンツを選んだら、次は使い方のポイントをお話しします。

 まずは、コンテンツの全体を聞いてみましょう。80%以上の英語や意味が理解できれば、「自分に合った動画を視聴できている」と判断してOKです。最初の10個くらいのフレーズがまったくわからない場合は、もう少しかんたんなものに変えてみましょう。

 レベルに合っているコンテンツを選んだら、最後まで通して聞きます。一度にすべて聞くのが難しい場合は、何度かに分けても構いません。最後まで聞くことができたら上の図のイメージで、聞くこととアウトプットを繰り返します。

 動画を使ってのアウトプットとしておすすめなのが、オーバーラッピングです。英語のフレーズを耳で聞いたら、追いかけるように口に出します。頭の中で読むことはできても、口に出してみるとうまく発音できなかったり、口が動かなかったりすることもあります。実際に言ってみて、お手本通りに発音することができるかどうかを自分で確認してみましょう。

 オーバーラッピングができるようになってきたら、音声や動画を停止した状態でテキストを見ながら、しっかりと発音してみましょう。うまくできないと感じたら、もう一度音声・動画で確認をします。「聞く」→「発音する」を繰り返すことで、フレーズが知っているだけのものから「使える」ものへと変わります。

 そして使えるようになったフレーズを、今度はひとりごとで使ってみましょう。自分のこととしてつぶやくことができたら、そのフレーズはもうあなたのものです。ひとりごととして使えそうもないものについては、そのフレーズを自分はどんな場面で使えそうかイメージしてみます。

 聞き流しのコンテンツは、アウトプットと組み合わせることで、効果的なツールになります。聞き流すだけで身につく、という夢物語は叶いませんが、他のアウトプットと組み合わせることでしっかりと結果に結びつけることができます。

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最終更新:4/4(木) 14:02

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