(ブルームバーグ): SBIホールディングス傘下のSBI新生銀行は10日、今期(2025年3月期)の連結純利益が前期比21%増の700億円となる見通しだと発表した。前期決算も好調で、同日記者会見した川島克哉社長はSBIとのシナジー効果による収益が具現化し始めたとして「一定の手応えを感じている」と話した。
前期の純利益実績は前の期比35%増の579億円と会社予想の450億円を上回った。実質業務純益は同30%増の1022億円。資金利益は同13%増の1561億円だった。与信関連費用は378億円と前年から158億円増えた。
SBI新生銀はSBIによる株式公開買い付け(TOB)を経て23年9月に非公開化された。株主はSBIと政府だけにする計画だったが、旧村上ファンド系の投資会社エスグラントコーポレーションも株主として残ることとなった。2月の臨時報告書で明らかになったSBI新生銀による第三者割当増資の結果、エスグラントは単独で2位の株主に浮上した。
今後の優先課題は、前身の旧日本長期信用銀行時代に投じられた公的資金の返済だ。非上場化で株価に左右されない返済が可能になったが、具体的な仕組みは25年6月までに決定する。
川島社長は「返済の原資となるのはわれわれの収益力であり、いかに企業価値を高めていくかということだ。財務の健全性と事業の成長性を阻害することのない範囲で可能な限り早期に返済する」と話した。
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最終更新:5/10(金) 15:38
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