円急落は自ら招いた結果、為替介入は当面失敗する公算-ブルックス氏

4/30 8:09 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): ゴールドマン・サックス・グループの元チーフ通貨ストラテジスト、ロビン・ブルックス氏は、日本の巨額の政府債務を背景に円相場の下支え努力が少なくとも当面は失敗に終わる可能性が高いとの見解を明らかにした。

国際通貨基金(IMF)のデータによれば、国内総生産(GDP)の250%を超える日本の政府債務は主要国で最も多い。ブルックス氏によると、政府のコストを抑えるために日本銀行が金利を低く維持する強い動機付けがそこに働いている。

政策変更がない限り、円相場の押し上げ努力の効果は打ち消されるだろうというのが、結論だ。

現在はワシントンのブルッキングス研究所で研究員を務めるブルックス氏は「これは実のところ債務、日本を非常に厳しい状況に追い込みつつある過剰な債務に関わる問題だ。多くの債務を抱えていても、中央銀行を使って金利を低く抑えることができる。日本はそうしてきたし、欧州もそうしてきた。しかし、それが招いた結果が今ここにある」と認識を示した。

米連邦準備制度が縮小に動く量的緩和(QE)の一環として、日銀が国債買い入れを継続していることについて、ブルックス氏は、円相場の下支え効果を実質的に打ち消していると分析。「日銀は10年国債利回り上昇を容認し、引き締めに動くべきであり、そうすれば(政府・日銀による)介入はより効果的になるだろう。欠けているのはそれだ」と主張した。

「それは完全に自ら招いた結果だ。債務を減らす積極的意思を欠いている。先進国の財政余力に制限がないという説に疑問を投げ掛ける点で、これは興味深い」と同氏は指摘した。

円の対ドル相場は年初来で10%近く下落し、先進国・地域通貨でパフォーマンスが最も悪い。

原題:Japan’s Debt Dilemma May Doom Any FX Intervention, Brooks Says(抜粋)

(c)2024 Bloomberg L.P.

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最終更新:4/30(火) 11:26

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