現在60歳。あと3年は、月収20万円ぐらいで会社員を続ける予定。将来もらえる老齢厚生年金は、いくら増えるの?

5/16 8:10 配信

あるじゃん(All About マネー)

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。

今回は、現在63歳。あと3年間、月収20万円の会社員を続けると、どのぐらい年金が増えるのかについてです。

◆Q:現在60歳。あと3年は、月収20万円ぐらいで会社員を続ける予定。将来もらえる老齢厚生年金は、いくら増えるの?

「現在60歳です。あと3年は、月収20万円ぐらいで会社員を続ける予定です。将来もらえる老齢厚生年金は、いくら増えるの?」(60歳・会社員)

◆A:年額約3万9463円(月額約3289円)、老齢厚生年金を多く受給できます

日本の公的年金制度は、国民年金(1階部分)と厚生年金(2階部分)の2階建てで構成されています。自営業やフリーランスが加入する国民年金と、会社員や公務員が加入する厚生年金の2種類あります。

厚生年金に加入すると、自動的に国民年金にも加入することになります。厚生年金加入者は、老齢基礎年金(1階部分)に、老齢厚生年金(2階部分)が上乗せされた老齢年金が受給できます。

老齢年金受給額の計算方法は、老齢基礎年金と老齢厚生年金で異なります。

国民年金から支給される老齢基礎年金は、収入金額にかかわらず、国民年金保険料を支払った期間や免除期間などの期間によって計算されます。

一方、厚生年金保険から支給される老齢厚生年金は、厚生年金保険料を支払った期間と、現役時代の収入(厚生年金の加入期間の収入:標準報酬月額・標準報酬額)によって計算されます。

▼老齢厚生年金受給額の計算

相談者が、60歳から3年間、月収20万円ぐらいで厚生年金に加入して、会社員を続けた場合の年金受給額は、老齢厚生年金に影響することになります。老齢厚生年金受給額を計算する時には、厚生年金に加入していた期間によって下記の2つの計算式に分かれており、合計した金額となります。

a:平成15年3月以前の加入期間
平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月までの加入期間の月数

b:平成15年4月以降の加入期間
平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以降の加入期間の月数

(※昭和21年4月1日以前生まれの人については、給付乗率が異なります)

相談者の過去の年金の加入状況(厚生年金加入期間が480カ月に満たない場合)は、経過的加算部分が増える場合もあります。

・経過的加算=定額部分の金額-同じ期間に対応する老齢基礎年金の金額
・定額部分=1657円(令和5年度)×1.000×厚生年金加入月数(上限480カ月)

(※昭和21年4月1日以前生まれの人については、給付乗率および被保険者期間の上限月数が異なります)

▼相談者が60歳から3年間、月収20万円ぐらいで厚生年金に加入して会社員を続けた場合

では相談者が、60歳から3年間、月収20万円ぐらいで厚生年金に加入して会社員を続けた場合、老齢厚生年金がどれくらい増えるのか計算をしてみます。【b:平成15年4月以降の加入期間】の計算式を用います(平均標準報酬額を20万円、厚生年金加入期間480カ月として試算)。

20万円(60歳からの平均標準報酬額)×5.481/1000×36カ月(60歳からの厚生年金加入期間3年×12カ月)≒3万9463円

したがって、60歳から3年間、月収20万円ぐらいで、厚生年金に加入して会社員を続けると、年額約3万9463円(月額約3289円)が、老齢厚生年金に一生涯、加算されてもらえることになります。

老齢年金は、一生涯受け取れますので、老後生活の大切な支えとなります。健康で少しでも長くお仕事を継続することによって、多くの年金を受け取れると、将来の不安が和らぐのではないでしょうか?

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。

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最終更新:5/16(木) 8:10

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