(ブルームバーグ): 著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる米投資・保険会社バークシャー・ハサウェイ傘下のパシフィコープは、2020年のレーバーデー(労働者の日)にオレゴン州で発生した火災を巡り、少なくとも2930万ドル(約44億円)の損害賠償支払いが命じられた。
強風で倒された送電線が原因とされる一連の火災で焼失した物件約2500の所有者に対し、米西部最大の送電網運営会社が最終的にいくら支払わなければならないかを査定する訴訟の一つで、ポートランドの州裁判所で評決が5日に下された。
火災の被害者10人に対する精神的苦痛を含めた損害賠償の認定は、被害者26人に約1億7500万ドルを支払うよう命じた判断に続くもの。
被害者側の弁護士は、懲罰的損害賠償を算出し、先の陪審評決を反映して経済的損害を倍増させた結果、5日の認定額は4200万ドル以上に膨らむ可能性があるとしている。
パシフィコープの経費は増え続けている。バークシャーは最近、23年の山火事で損失19億ドルを計上し、オレゴン、カリフォルニア両州で約80億ドルの請求に直面していると監督当局への提出書類で明らかにした。
これには、さまざまな消火活動や清掃費用に対する州・連邦政府機関からの計10億ドルを超える請求が含まれている。
バフェット氏は株主への年次書簡で、パシフィコープを含むバークシャー・ハサウェイ・エナジー(BHE)について、グループ内の鉄道事業よりも「さらに深刻な業績不振」だと説明。
「BHEの森林火災による損失の最終的な集計が判明し、脆弱(ぜいじゃく)な西部の州への今後の投資の是非について賢明な判断ができるようになるまでには、まだ数年かかるだろう」と記した。
パシフィコープは評決後、「オレゴン州法に基づく実損害に対する全ての合理的な請求を解決することに引き続き力を尽くす」と文書で表明。
「電力会社のために異常気象が頻発する地域において、事実上の最後のよりどころとしての保険会社となるような投資を今後行うことには不吉なリスクがある」とコメントした。
原題:Buffett’s Oregon Fire Costs Grow as He Sours on Utilities (1) (抜粋)
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最終更新:3/6(水) 12:11
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