【年金を受給している人】確定申告は必要?「確定申告が不要」になる条件とは?《年金・その他の所得》目安額を見てみる

1/17 8:35 配信

LIMO

年金を受け取り始めると、「確定申告は必要なのか」「何もしなくてよいのか」と判断に迷う人は多いでしょう。

まず押さえておきたいのは、公的年金は税法上、雑所得として扱われるため、受給状況によっては確定申告の対象となる場合があります。

一方で、一定の条件を満たしている場合には「確定申告不要制度」が適用され、申告手続きを行わなくて済むケースもあります。

本記事では、年金を受給している人について、確定申告が「必要となる場合」と「不要となる場合」を整理し、判断の目安を解説していきます。

ご自身やご家族の状況がどちらに該当するのか、読み進めながら確認してみてください。

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そもそも「確定申告」とは?誰が行うもの?

確定申告とは、1年間に得た所得をもとに税額を計算し、最終的な納税額を確定させるための手続きです。

2025年分の確定申告期間は、2026年2月16日から3月16日までとなっています。

国税庁では、確定申告が必要となる人の範囲を以下のように示しています。

一般的に、給与所得者は年末調整によって所得税などが精算されるため、原則として確定申告は不要です。

そのため、現役世代ではフリーランスや自営業者が確定申告を行うものだと考えている人も多いのではないでしょうか。

一方で、公的年金を受給している人についても、条件によっては確定申告が必要となる対象に含まれます。

●年金を受給している人も「確定申告の対象」って本当? 
老齢年金は老後の生活を支える大切な収入ですが、税法上は「雑所得」に区分されるため、原則として所得税および復興特別所得税の確定申告が必要となります。

年金にかかる税金は、あらかじめ源泉徴収によって差し引かれていますが、受給額が65歳未満で108万円以上、65歳以上で158万円以上となる場合は課税の対象です。

本来は、確定申告を通じて年間の所得額を確定させ、税額の過不足を調整する必要があります。

しかし、高齢になるにつれて、税務署へ足を運んだり、申告書類を準備したりすることが負担に感じられる人も少なくありません。

こうした事情を踏まえて設けられた仕組みが「確定申告不要制度」です。

この制度を利用すれば、年金受給者は煩雑な申告手続きを行わずに、税務上の対応を簡素化することが可能になります。

次章では、年金受給者が確定申告をしなくてもよい具体的なケースについて詳しく解説します。

【確定申告不要制度】年金を受給していても「確定申告が不要」になる条件とは?

年金を受給している人の確定申告に伴う負担を軽減するため、公的年金等については「確定申告不要制度」が設けられています。

この制度では、公的年金等の収入が400万円以下であり、なおかつ所定の条件を満たしていれば、所得税および復興特別所得税の申告を行う必要はありません。

次に、この「確定申告不要制度」の対象となる具体的な要件について確認していきます。

 ・公的年金等の収入金額の合計額が400万円以下かつ、その公的年金等の全部が源泉徴収の対象となる
 ・公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である
●「公的年金等」に該当する所得とは? 
「公的年金等」に該当する所得にはいくつかの種類がありますが、主なものとしては次のようなものが挙げられます。

 ・国民年金や厚生年金
 ・共済組合から支給を受ける老齢年金(老齢基礎年金、老齢厚生年金、老齢共済年金)
 ・恩給(普通恩給)
 ・過去の勤務に基づき使用者であった者から支給される年金
 ・確定給付企業年金契約に基づいて支給を受ける年金
●公的年金等に関連する「雑所得以外の所得」とは? 
公的年金等に関連する「雑所得以外の所得」には、主に次のようなものがあります。

 ・生命保険や共済などの契約に基づいて支給される個人年金
 ・給与所得
 ・生命保険の満期返戻金
では、実際にはどのくらいの高齢者が確定申告不要制度の対象となっているのでしょうか。

次章では、国民年金と厚生年金の受給額に関する最新データをもとに、その状況を確認していきます。

【最新データ】現代シニアの「平均年金月額」はいくら?

ここからは、厚生労働省年金局が公表している「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、国民年金と厚生年金の平均的な受給月額を確認していきます。

●【国民年金】「平均月額」と「受給額ごとの人数」をチェック
厚生労働省年金局の同資料によれば、国民年金について、平均受給額と受給額帯ごとの人数が次のように示されています。

●【国民年金の平均年金月額】
 ・〈全体〉平均年金月額:5万9310円(5万7584円)
 ・〈男性〉平均年金月額:6万1595円(5万9965円)
 ・〈女性〉平均年金月額:5万7582円(5万5777円)
※()内は前年度の数値

●【国民年金の受給額ごとの人数】
 ・1万円未満: 5万1828人
 ・1万円以上~2万円未満: 21万3583人
 ・2万円以上~3万円未満: 68万4559人
 ・3万円以上~4万円未満: 206万1539人
 ・4万円以上~5万円未満: 388万0083人
 ・5万円以上~6万円未満: 641万0228人
 ・6万円以上~7万円未満: 1715万5059人
 ・7万円以上~: 299万7738人
●【厚生年金】「平均月額」と「受給額ごとの人数」をチェック
厚生労働省年金局の同資料によれば、厚生年金について、平均受給額と受給額帯ごとの人数が次のように示されています。

●【厚生年金の平均年金月額】
 ・〈全体〉平均年金月額:15万289円(14万6429円)
 ・〈男性〉平均年金月額:16万9967円(16万6606円)
 ・〈女性〉平均年金月額:11万1413円(10万7200円)
※()内は前年度の数値
※国民年金(基礎年金)を含む

●【厚生年金の受給額ごとの人数】
 ・1万円未満: 4万3399人
 ・1万円以上~2万円未満: 1万4137人
 ・2万円以上~3万円未満: 3万5397人
 ・3万円以上~4万円未満: 6万8210人
 ・4万円以上~5万円未満: 7万6692人
 ・5万円以上~6万円未満: 10万8447人
 ・6万円以上~7万円未満: 31万5106人
 ・7万円以上~8万円未満: 57万8950人
 ・8万円以上~9万円未満: 80万2179人
 ・9万円以上~10万円未満: 101万1457人
 ・10万円以上~11万円未満: 111万2828人
 ・11万円以上~12万円未満: 107万1485人
 ・12万円以上~13万円未満: 97万9155人
 ・13万円以上~14万円未満: 92万3506人
 ・14万円以上~15万円未満: 92万9264人
 ・15万円以上~16万円未満: 96万5035人
 ・16万円以上~17万円未満: 100万1322人
 ・17万円以上~18万円未満: 103万1951人
 ・18万円以上~19万円未満: 102万6888人
 ・19万円以上~20万円未満: 96万2615人
 ・20万円以上~21万円未満: 85万3591人
 ・21万円以上~22万円未満: 70万4633人
 ・22万円以上~23万円未満: 52万3958人
 ・23万円以上~24万円未満: 35万0004人
 ・24万円以上~25万円未満: 23万0211人
 ・25万円以上~26万円未満: 15万0796人
 ・26万円以上~27万円未満: 9万4667人
 ・27万円以上~28万円未満: 5万5083人
 ・28万円以上~29万円未満: 3万0289人
 ・29万円以上~30万円未満: 1万5158人
 ・30万円以上~: 1万9283人
国民年金の平均受給月額は5万9310円、厚生年金は15万289円とされており、これを年額に換算すると、国民年金は約71万円、厚生年金は約180万円となります。

この水準を基に考えると、公的年金による年間収入が400万円を超える人は限られており、公的年金以外の所得が少ない場合には、確定申告が不要となるケースが多いと考えられます。

ただし、個人年金の受取額が多い場合や、年金に加えて給与収入がある場合には、確定申告が必要となることもあるため注意が必要です。

また、確定申告不要制度の対象であっても、申告を行うことで税金面で有利になるケースがある点も押さえておきましょう。

次章では、年金受給者の中でも確定申告を行ったほうがよい具体的なケースについて確認していきます。

年金を受給している人の中で「確定申告を行ったほうがよい」具体的なケースとは?

確定申告不要制度の対象となっている年金受給者であっても、所得税や復興特別所得税の還付を受けるためには、確定申告を行う必要があります。

還付が発生するケースとしては、たとえば住宅ローンを利用して自宅を購入した場合や、一定額を超える医療費を支払った場合、災害や盗難などの被害を受けた場合などが挙げられます。

確定申告をすべきか判断に迷う場合には、最寄りの税務署で確認や相談をしてみるとよいでしょう。

●確定申告をもっと手軽に。スマホで完結する申告方法
「確定申告」と聞くと、手続きが複雑で難しそうだと感じる人も多いかもしれません。

しかし近年は、スマートフォンとマイナンバーカードの連携が進み、以前よりも簡単に確定申告を行える環境が整っています。

スマートフォンのマイナンバーカード機能を利用すれば、カードを直接読み取らなくても、申告書の作成やe-Taxでの提出が可能です。

また、国税庁が提供する「確定申告書等作成コーナー」では、画面の案内に沿って入力を進めるだけで申告書が完成し、自動計算機能によって計算誤りを防ぐことができます。

さらに、マイナポータル連携を活用すれば、保険料控除証明書や源泉徴収票などの情報を自動取得し、申告内容に反映させることができるため、書類の準備や入力の手間が大きく軽減され、申告にかかる時間の短縮にもつながります。

申告時期は窓口が混み合うことが予想されるため、余裕を持って早めに準備を進めておくと安心です。

年金受給者の確定申告、まずは自分や家族が対象か確認を

本記事では、年金を受給している人について、確定申告が「必要となる場合」と「不要となる場合」を整理し、判断の目安をわかりやすく解説していきました。

年金は税法上、収入として取り扱われるため、年金を受け取っている場合には、基本的に確定申告の対象となります。

一方で、公的年金等の収入額が400万円以下であり、あわせて他の所得が一定の範囲内に収まっている場合には、「確定申告不要制度」が適用され、申告手続きが不要となるケースもあります。

ご自身や家族の収入状況や控除の有無を確認したうえで、状況に応じて確定申告を行うか、税務署へ相談することを検討するとよいでしょう。

参考資料

 ・国税庁「主な国税の納期限(法定納期限)及び振替日」
 ・国税庁「高齢者と税(年金と税)」
 ・国税庁「確定申告が必要な方」
 ・政府広報オンライン「ご存じですか? 年金受給者の確定申告不要制度」
 ・国税庁「スマホとマイナンバーカードでe-Tax!」
 ・厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

マネー編集部社会保障班

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最終更新:1/19(月) 10:55

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