円が対ドルで1%超急伸、一時158円22銭-介入の兆しに市場神経とがらす

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NY外為市場で円が対ドルで一時1%を超える上昇

NY外為市場で円が対ドルで一時1%を超える上昇

(ブルームバーグ): ニューヨーク時間2日午前の外国為替市場で、円が対ドルで突如、1%超急伸する場面があった。市場では、当局による追加の円買い介入を示す手掛かりを探る動きが広がり、警戒感が強まった。

円は一時、1.2%高の1ドル=158円22銭まで買われた。当局が銀行に為替レートを照会する「レートチェック」を実施している兆しがないか、市場参加者は神経をとがらせた。レートチェックは通常、介入の前段階とされる。ただ、ストラテジストからは、今回の値動きは過去に当局が介入した際ほど大きくないとの指摘も出ている。

TDセキュリティーズのストラテジスト、ハワード・ドゥ氏は「今朝の円の動きが、介入によるものだとはみていない」と指摘。「値動きの大きさも、過去にレートチェックが行われた局面と比べて小さい」と述べた。

同氏は、これに先立ち円が上昇していた点も挙げた。東京時間には、連続利上げや大幅利上げの可能性を排除しなかった日本銀行の高田創審議委員の発言を受けて、円は159円44銭まで上昇していた。

円急伸の動きは、為替市場全般にも波及した。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は一時0.3%下落し、8月21日以来の大幅な下げとなった。新興国通貨指数はこの日の高値に上昇。円は対ユーロでも一時1%超上昇した。

今回の値動きは、日米が数十年ぶりの規模で円下支えに連携した約1カ月前ほど大きくはない。1998年以来初となった日米協調の円買い介入を受け、円は1ドル=164円近辺の約40年ぶり安値圏から約5%上昇した。日米両政府は、必要であれば追加の協調対応も辞さない姿勢を示しており、円売りを仕掛ける投資家にとってリスクが一段と高まっている。

ただ、当局が円を支える手段は、直接介入だけではない。1月にはニューヨーク連銀が金融機関に円相場の水準を照会していた。ウォール街では、こうしたレートチェックが、日本による円買い介入に向けた地ならしとなる可能性があるとの見方が広がっていた。

米財務省は2日、為替介入やレートチェックを実施したかどうかについて、現時点でコメントの要請に応じていない。ニューヨーク連銀も、コメントの要請に直ちに応じなかった。

マネックスの為替トレーダー、アンドリュー・ハズレット氏は「介入だとのうわさは聞いているが、値動きの大きさからすると懐疑的だ」と指摘。ただ、円の対ドル、対ユーロでの動きについては「それ以外では説明しにくい」とも述べた。

マクロ・ハイブの為替ストラテジスト、ベン・フォード氏は、近年の介入時の値動きと比べると、今回の上昇は比較的小幅ながら急だったことから、レートチェックの可能性があるとみている。

その上で、「日本が事前に介入を示唆するやり方から離れ、より積極的な形で介入局面に入ることを示しているのかもしれない」と述べた。

過去の介入

財務省のデータによると、過去1カ月の為替介入額は15兆3993億円と、月次ベースでは過去最大を更新した。日本当局は、介入の必要性を判断する上で、特定の為替水準ではなく、過度な変動や無秩序な動きを重視する考えを繰り返し述べている。

円の重しとなっているのは、他の主要国・地域との金利差に加え、高市早苗首相の積極的な歳出計画を背景とする財政見通しの悪化懸念だ。投機筋も再び円に対して弱気な見方に傾いている。ヘッジファンドは介入後にいったんは円の売り持ちを大幅に減らしたが、ここにきて再び積み上げている。

円安圧力が強まる中、高市政権は早ければ9月にも日銀が利上げすることを支持しているとされる。

ベッセント米財務長官は、日銀の植田和男総裁が金融政策で「正しい判断をする」と期待していると述べる一方、最近の円相場の動きについては「かなり抑制されている」との認識を示した。また、円相場が極端に不安定になれば米金利の上昇につながりかねないとして、7月に実施した円買い介入を擁護した。

円の急伸に先立ち、市場では日銀の高田委員のタカ派発言を受けて、日銀が想定より積極的な政策運営に踏み切るとの観測が強まっていた。高田氏は利上げ幅について、0.25ポイントだけでなく、「幅広い選択肢の中で対応していく必要がある」としたほか、一般論として連続利上げもあり得ると述べた。

日銀の植田和男総裁はこれまで、物価の上振れリスクを踏まえて政策を判断するとして、今月の金融政策決定会合で利上げに踏み切る可能性を示唆している。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場では、日銀による9月利上げをほぼ完全に織り込んでいる。

マニュライフ・インベストメント・マネジメントのネイサン・スフト氏は「実弾介入であれ、レートチェックを通じた口先介入であれ、今回の反応は市場のポジションがどれほど敏感になっているかを物語っている。当局が円高を望んでいるというメッセージを市場は受け取った」と指摘。「だが、ファンダメンタルズを踏まえると、持続可能だとは言いがたい」と述べた。

原題:Yen Surges With Traders on Alert for Further Intervention (1)(抜粋)

(c)2026 Bloomberg L.P.

Anya Andrianova

最終更新:

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