<新興国eye>前週のブラジル株、トランプ米大統領の関税政策緩和などを受け反発=BRICs市況

3/10 8:58 配信

ウエルスアドバイザー

 前週(5-7日)のブラジル株式市場は7日のボベスパ指数が前日比1.36%高の12万5034.6、週間ベースでは2月28日終値比1.82%高と、反発した。

 週明け3日と翌4日は「カーニバル」の祝日で休場。取引が再開された5日は指数が反発、翌6日も続伸した。

 週後半は、取引が再開され、買いが優勢となった。航空機大手エンブラエルが買われ、上げを主導。また、重要な貿易相手国である中国が全国人民代表大会(全人代)で景気支援方針を採択したことも好感された。エンブラエルはメキシコ航空機整備大手フライアクロスMROと定期メンテナンスと臨時メンテナンスで提携したことが背景。

 その後は、トランプ米大統領がメキシコとカナダからの自動車への高率関税を4月2日まで1カ月遅らせ、また、段階的に数カ月かけてゆっくり実施すると発表したことを受け、貿易戦争懸念が後退、買いが強まった。ただ、米国から10%の上乗せ関税を課せられる中国が対米報復措置を発表したため、上値は限られた。

 週末7日は3日続伸。ブラジルの24年GDP(国内総生産)伸び率が3.4%増となり、市場予想(4.1%増)を下回ったが、23年(3.2%増)を上回り、21年以来3年ぶりの高い伸びとなったことが好感され、買いが優勢となった。政府(財務省)は25年を2.3%増と予想。また、トランプ大統領は自動車以外にもカナダとメキシコに対する25%関税の大半を適用除外にすると方針転換したことも好感された。

 今週(10-13日)の株式市場は、中東紛争やウクライナ戦争(22年2月24日勃発)の終結に向けた米ロ協議の動向、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、トランプ大統領の貿易政策、台湾情勢や米中関係の悪化懸念、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済・財政・税制政策も注目される。

 主な経済指標の発表予定は10日の2月IGP-10インフレ指数(2月11日-3月10日まで物価変動指数)や11日の1月鉱工業生産、12日の1月財政収支と2月IPCA(拡大消費者物価指数)、2月自動車生産・販売台数、13日の2月サービス業活動指数、14日の1月小売売上高など。

<関連銘柄>
 ボベスパ <1325> 、上場MSエマ <1681> 、上場EM債 <1566>

提供:ウエルスアドバイザー社

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最終更新:3/10(月) 8:58

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