(ブルームバーグ): 米ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループは、2023年12月-24年2月(第1四半期)に大幅な増収を記録した。資本市場の好調と投資銀行業務の回復のためで、今後数週間に決算を発表する大手米銀にとって良い兆候となった。
KBW銀行株指数は28日に0.9%上昇し、米地方銀行の混乱が業界を襲う直前の23年3月6日以来の高値で終了。ただ、同指数は昨年業界に打撃を与えたシリコンバレー銀行(SVB)など一連の地銀の経営破綻による影響からまだ完全に回復していない。同指数は23年3月初めの水準を約4%下回っている。一方、S&P500種株価指数は同期間に33%上昇している。
時価総額93億ドル(約1兆4100億円)強のジェフリーズは、KBW銀行株指数の構成銘柄ではない。ただ、同社の決算は、他のウォール街の銀行の業績を占う先行指標として長く注目されてきた。
ジェフリーズのトレーディング・投資銀行収入は、他の金融機関と完全に一致するわけではないが、バンク・オブ・アメリカ(BofA)を含むライバルの幹部は最近、資本市場の収入が増加傾向にあると指摘している。ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のシニアアナリスト、アリソン・ウィリアムズ氏は「低調だった前年同期から手数料収入が増加するなど、健全なトレーディング状況を示唆している」と分析する。
ジェフリーズの株価は28日に4.4%下落。前日の決算発表前には08年以来の高値を付けていた。
BIのアナリスト、ニール・サイプス氏は「株価が上場来高値に近い水準にあるため、投資家はさらに多くのことを期待していた可能性がある」と指摘した。
米銀大手の決算シーズンは4月12日に始まり、同日の市場の取引開始前にJPモルガン・チェース、シティグループ、ウェルズ・ファーゴの決算発表が予定されている。翌週にはゴールドマン・サックス・グループ、BofA、モルガン・スタンレーが決算を発表する。BofAは今月6日、投資銀行部門の1-3月(第1四半期)の収入が前年同期比で最大15%増える軌道にあると述べた。
資本市場の動向は、決算シーズンに投資家が注目する可能性の高い要素の一つだと、RBCのアナリスト、ジェラード・キャシディー氏が指摘。また、同氏はローン残高の緩やかな伸びや預金のシフトのほか、特に商業用不動産やオフィス不動産関連のクレジット動向も注視している。
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原題:Jefferies Surge Bodes Well for Wall Street Heavy Hitters (1)(抜粋)
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最終更新:3/29(金) 10:20
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