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33歳、貯蓄はなく、夫の奨学金返済と借金もあります。子どもにお金がかかってくるのにどうしたらいいでしょうか?

4/18 22:20 配信

あるじゃん(All About マネー)

◆収入を増やしたいのですが、なかなか難しく、何をどうしたらいいか……

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。

今回のご相談者は、貯金が全然増えず、毎月赤字という33歳の女性です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

▼相談者

辛ままさん
女性/パート・アルバイト/33歳
中部地方/持ち家(一戸建て)

▼家族構成

夫(40歳)、第1子(13歳)、第2子(6歳)、第3子(5歳)、夫の叔父(70代後半)

▼相談内容

毎月の支出のほか、夫の奨学金返済と借金もあります。貯金が全然増えず赤字です。収入を増やしたいのですが、なかなかそれも難しく、もう、何をどうしたらいいか……。これから子どもにもっとお金がかかってくるのに……。老後も心配です。何かアドバイスをいただけると幸いです。よろしくお願いします。

▼家計収支データ

辛ままさんの家計収支データは図表のとおりです。

▼家計収支データ補足

(1)ボーナスの使い道
生活費の補てん50万~55万円、ボーナス払いの車のローン8万円、奨学金の返済7万5000円、車検代10万円、レジャー費3万円など。

(2)奨学金、借金について
奨学金の返済:毎月1万2000円、ボーナス時7万5000円。残り5、6年
借金の返済:毎月4万5000円。総額140万円、金利18.0%
車のローン返済:毎月2万6200円、ボーナス時8万円、残り80万円
※合計8万3200円/月。奨学金と借金は家計支出に計上されていない

(3)住居費について
住宅ローンはなく、同居している叔父が家の購入費用と外壁工事費を負担してくれた。

(4)同居の叔父について
年金生活で持病がある、生活費、スマホ代、夕食代は相談者の家が負担している。

(5)自動車について
所有台数は2台。毎月の車両費はガソリン代。買い換えの予定は今のところなし。2月と6月に車の保険を一括で払っている。児童手当から賄っている。

(6)加入保険について
夫/
・生命保険(終身タイプ、65歳まで払込、死亡保障3840万円<120万円×32回>、医療特約付き)=毎月の保険料2万1500円
※持病があり、半年後に保険料の払込みが免除になる可能性がある。

相談者/
・生命保険(終身タイプ、70歳まで払込、死亡保障980万円、医療特約付き)=毎月の保険料1万1950円

第1子/
・生命保険(終身タイプ、60歳払込、死亡保障500万円、18歳時の解約返戻金103万6450円、医療特約付き)=毎月の保険料8600円(主契約5930円、医療2670円)

第2子/
・学資保険(18歳払込み、22歳満期、2034年~2038年まで毎年40万円×5回で計200万円)=毎月の保険料8800円

第3子/
・学資保険(17歳払込み、22歳満期、17歳7カ月の時100万円、満期100万円)=毎月の保険料9570円

子ども2人分/
共済=毎月の保険料計4000円

(7)子どもの進路について
全員、高校までは公立。その後は、第1子は大学か専門学校。

(8)働き方について
夫:定年は65歳。その後は再雇用を考えている。退職金は800万~1000万円。
相談者:一番下の子どもが今、年長なので、今のうちに勉強しておき、来年フルタイムで働こうと思っている(頼る人がいないので第3子が小学校入学してから)。

▼FP深野康彦の3つのアドバイス

アドバイス1:毎月の家計で赤字を出さないことが先決。2年で改善を
アドバイス2:奨学金の返済、マイカーローンの返済が終わったら確実に貯蓄
アドバイス3:フルタイムで収入アップしたら、貯蓄は増やせる

◆アドバイス1:毎月の家計で赤字を出さないことが先決。2年で改善を

いろいろなご事情があったとは思いますが、現時点では、かなり厳しいアドバイスになります。

奨学金や借金の返済分がボーナス払い分を含めて年間で約115万円あります。本来なら、これはそのまま貯蓄できるお金です。奨学金の返済はやむを得ないとしても、生活費の補てんでカードローンなどを利用し続けていませんか? 今後は、これ以上借金をしない、車はローンで買わない、という強い意志を持ってください。

家計支出は収入の範囲で収めるのが鉄則です。現状、毎月の収支はほぼトントンだとしても、返済分が毎月8万3200円あり、これは家計に計上されていません。

つまりこの分は確実に赤字なわけです。いきなり毎月8万円削減するのは無理ですが、それでも可能な限り削減し、ボーナスからの補てんを少なくすることが最優先の課題といえます。

食費、水道光熱費、通信費、保険を見直して、4万~4万5000円の削減を目指してください。どこをどう削減しても構いません。

家族が多く支出がかさむのはわかりますが、家族全員で節約の意識を持ち、取り組んでください。叔父さんに恩義があるのも理解しますが、まずは、子どもの教育費を確保することが大事なわけですから、スマホ代など月1万円でもいいので、負担してもらえないか、相談されてもいいのではないでしょうか。

保険については、ご相談者本人の保険料が割高です。終身タイプであれば、これまでの保険は払い済みとし、ここまでの保障は残し、今後の保険料はなしとします。

その上で、保障1000万円、保険期間15年の掛け捨ての定期保険に加入してください。医療保険を追加しても、通販型の保険であれば月額3200円ほどで済みます。

この見直しができれば8000円は削減できます。また、子どもの共済は不要です。これらの保険の見直しで、保険料合計月1万2000円が削減できるのです。

すぐに大幅な改善ができなくても、2年かけて少しずつでも構いませんので、現状より支出を4万~4万5000円削減すること。これが最初のステップです。

◆アドバイス2:奨学金の返済、マイカーローンの返済が終わったら確実に貯蓄

奨学金の返済はあと5、6年あるとのことですが、少なくとも車のローンは残り2年程度でしょう。カードローンの残りの返済期間がわかりませんが、追加で借り入れしない限り、あと2年、遅くとも3年後には完済するはずです。

マイカーローンが終われば、年間約40万円は確実に貯蓄に回せます。カードローンも終われば、年間54万円をさらに貯蓄に回せます。年間で100万円近い貯蓄ができるようになるわけですから、この2年間で毎月の家計を改善し、赤字体質、借金体質から脱してください。

◆アドバイス3:フルタイムで収入アップしたら、貯蓄は増やせる

相談者はフルタイム勤務を考えているとのこと。ぜひ、そうしてください。月7万円ほどでも増やせたら、生活費に2万円使ったとしても5万円は貯蓄できます。年間60万円です。借金返済後は、年間160万円は貯蓄できる家計に変わっているでしょう。

2年後には第1子が高校受験、5年後には大学受験です。10年後には第2子、第3子が続けて高校入学となります。その時に、子どもの進学の選択肢を狭めないためには、今から2年間、とにかく頑張ってください。借金返済が終われば、先の風景は変わってきます。

そして、その時点でアドバイスできることは、また変わってくるでしょう。大変心苦しいのですが、2年後にもう一度、ご相談をお寄せください。

今は残念ながら貯蓄ができる時期ではありません。でも必ず貯蓄ができる時がやってきます。そのために、この2年の家計改善が重要です。家族一丸となって節約をしてください。ただし、家族の健康が一番です。無理な節約に走らず、いま一度、ムダなお金の使い方はないか、家族で話し合ってみてください。

2年後、必ず、ご相談ください。待っていますよ。

◆相談者「辛まま」さんから寄せられた感想

今回はアドバイスをいただきありがとうございました。現状を把握することと、いらない支出を知ることができ、今後どうしていけばいいか明確になりました。今とても厳しい状態で大変であることに変わりはないのですが、心が少し明るくなりました。

そしてこちらに相談したことを夫に話したところ、今まであまり話を真面目に聞いてくれず真摯にとらえてくれてなかったのですが、協力してくれるようになりました。

2人で支出を抑えるために、どうしたらいいのか、話し合いを何度も重ねられるようになりました。相談してよかったです。本当に助かりました。2年後また相談させていただけたらと思います。

教えてくれたのは……深野 康彦さん

マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文/伊藤加奈子

あるじゃん(All About マネー)

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最終更新:4/18(木) 22:20

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