米国債市場、より長くより高い金利の現実受け入れ降参-利回り上昇

3/18 8:12 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 米金融当局が今週にも利下げに踏み切ると以前確信していた債券投資家は、より長くより高い金利の現実と市場の先行き不透明感を、痛みを伴う形で受け入れつつある。

米国債利回りはここ数日に急上昇し、年初来の高水準を更新しそうな勢いだ。持続的なインフレがデータで引き続き示唆されており、トレーダーは米金融緩和時期に関する予測を先送りしている。

現在の金利スワップ市場では、今年は0.25ポイントで3回という利下げよりも少ない引き下げという予想が反映されている。これは昨年12月に当局が示した予想中央値と、2023年末時点で織り込まれていた6回の利下げをともに下回る。利下げ開始時期はどうか。投資家はそれが今年上期(1-6月)になることさえ確信が持てなくなっている。

こうした変化は、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長率いる米金融当局が19、20両日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で、さらに浅めの緩和局面を示唆するのではとの懸念の高まりを浮き彫りにするものだ。既に野村ホールディングスのエコノミストは年内の利下げ予想を2回と、従来の3回から後退させた。

またオプション市場における最近の取引フローを見ると、最終的に金利は下がると長期的な予想は示しているが、長期利回り上昇と利下げの縮小というリスクに対するプロテクションを投資家は求めている。

BMOグローバル・アセット・マネジメントの債券・短期金融市場責任者、アール・デービス氏は「米当局は緩和したいが、データがそれを許さない」とし、「当局は夏に緩和する選択性を維持したいのだろうが、労働市場がタイトでインフレ率が高止まりすれば、姿勢を変え始めるだろう」との見方を示した。

米10年債利回りは先週、24ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の4.31%となり、年初来の高水準である4.35%に近づいた。上昇幅は昨年10月以来最大だった。デービス氏は、10年債利回りが4.5%に向かって上昇し、最終的には自身にとって債券購入のエントリーポイントになると予測する。10年債利回りは昨年、07年以来初めて5%台に乗せた。

米2年債と5年債の利回りはともに20bp余り上昇し、昨年5月以来の大幅な上昇。この相場急落で米国債の年初来の損失は1.84%に拡大した。

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原題:Bond Traders Surrender to Higher-for-Longer Reality From the Fed(抜粋)

--取材協力:Edward Bolingbroke.

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最終更新:3/18(月) 8:12

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