DeFiと信用リスク

9/11 6:30 配信

CoinDesk Japan

何かがアンチフラジャイル(壊れにくい、反脆弱)であるかどうかは、逆境に直面してそれが壊れるか、進化するかを見て初めてわかる。DeFi(分散型金融)は多くのことを経験してきたが壊れることはなかった。それどころか、金融、経済、ガバナンス、財産権など、デジタル経済における新旧のコンセプトを試すダーウィン的なサンドボックスとしての地位を確立した。


しかし、DeFiと伝統的金融の本当の違いはどこにあるのだろうか? 主な違いのひとつは(すべてではないが)主要なプロトコルが信用リスクをどのように扱うかだ。


極めて単純に言えば、DeFiは信用リスクをスマートコントラクトのリスクと交換する。


信用リスクは、伝統的な市場では、ほぼすべての金融資産の一部だが、DeFiではそうではない。住宅ローンからトウモロコシ先物、ドイツ国債、アマゾンのギフトカードまで、あらゆるものに信用の要素(とコスト)が組み込まれている。


しかしDeFiでは、信用実績はまったく関係ない。例えば、アーベ(AAVE)でのあなたの借り入れ力は、あなたが差し入れた担保の価値によってのみ決まる。担保価値が閾値を下回り、スマートコントラクトが正しく機能すれば、あなたのポジションは清算される。救済手段も、電話して助けを求める相手も、状況を説明する場所もない。

オンチェーン仕組商品:信用リスクを伴わない完全な透明性

DeFiの仕組みは、過剰担保融資のような単純な金融商品では明快だ。しかし、エキゾチック・オプション(複雑なオプション)や仕組商品のような複雑で非線形の見返りを持つ商品に対して、信用リスクゼロのモデルと完全な透明性を実現するにはどうすればよいのだろうか?


その答えは、見返りを完全にオンチェーンに置くことだ。例えば、リボン・ファイナンス(Ribbon Finance:Aevoとしてリブランディング)が導入した最新のヴォールト(金庫)は、伝統的金融(TradFi)の古典的な仕組み商品であるオートコーラブルをスマートコントラクトで再現している。


重要なのは、スマートコントラクトが、商品の条件付き見返り(コードにおける「if-this-then-that:もしこれならばそれをする」ステートメントのようなもの)を、透明性のある方法で正しいアドレスに実行するということだ。しかし、最も重要なのは、いったんヴォールトが作られると、リボンも投資家もデフォルトする選択肢を持たない、つまり信用リスクがゼロになるということだ。


仕組商品とエキゾチック・オプションは、DeFiが暗号資産の透明性と「プログラム可能なマネー」の特性をどのように活用できるかを示す好例。複雑な見返りの自動化は、まさにDeFiを持続的な成長軌道に乗せることができる有意義なアプリケーションの一種だ。


参考までに、金融テクノロジーを手掛けるルーマ(Luma)と金融サービスを提供するモーニングスター(Morningstar)によると、オートコーラブルのような仕組商品の世界的な量は、アジアの投資家が主導し、2021年には約1.5兆ドル(約220兆円)に上ったと推定されている。


DeFiは、数え切れないほどのハッキング、ラグプル、ペッグ喪失、規制当局の監視に耐え、現在の取引高の低迷期を生き延びることは間違いないだろう。しかし(少なくとも現時点では)高尚でディスラプティブな理想を脇に置き、世界的な需要と普及が実証されている金融ソリューションの改善にわずかでも焦点をあてることで、この業界が普及する可能性は高まるかもしれない。


|翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸|画像:Shutterstock|原文:DeFi and Credit Risk

CoinDesk Japan

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最終更新:9/11(月) 6:30

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