オックスフォード・エコノミクスの米主任エコノミスト、ライアン・スイート氏=実質GDP(国内総生産)の統計は不安定で大きな改定が入りやすい。1~3月期のGDPの伸びが市場予想を下回ったことは厄介なことではない。われわれの注意を引き、米連邦準備制度理事会(FRB)を少し動揺させる可能性があるのは、同期のコア個人消費支出(PCE)物価指数だ。同指数は年率で前期比3.7%上昇し、われわれや市場が予想していたよりも大きく上昇した。
最近のインフレの高止まりを受け、政策金利はより長期にわたって高水準にとどまるだろう。われわれは最近、FRBによる最初の利下げ時期の見通しを6月から9月に改定した。最初の利下げ時期が後ずれしたことで今年の利下げ幅は合計で75ベーシスポイント(bp)から50bpとなり、合計の利下げ幅がこれよりも縮小するリスクも残る。
結局のところ、1~3月期のGDP伸び率鈍化は、在庫と貿易に起因するもので、一見するよりも良い内容だ。国内最終需要の堅調な伸びは米経済が依然として底堅く推移していることを示唆している。われわれは、1~3月期のGDP伸び鈍化によって、24年全体の成長見通しを大きく変えることはないだろう。(ニューヨーク時事)〈STAT〉〈FRB1〉
時事通信
最終更新:4/26(金) 2:49
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