香港のビットコインETF、中国本土から250億ドルの投資を引き出す可能性:Matrixport

4/13 10:00 配信

CoinDesk Japan

世界有数の金融センターであり、中国の対外投資のゲートウェイでもある香港が、ビットコイン(BTC)に連動する上場投資信託(ETF)を承認するようだ。


シンガポールを拠点とする暗号資産サービスプロバイダーのMatrixportによると、この投資ビークルは、サウスバウンド・ストック・コネクト・プログラムを通じて、中国の投資家から最大250億米ドル(約3兆7500億円、1ドル=150円換算)の需要を引き出す可能性があるという。サウスバウンド・ストック・コネクトは、中国本土の適格投資家が香港に上場している適格株式にアクセスすることを可能にするものだ。


「香港でビットコインスポットETFが承認される可能性が高まれば、中国本土の投資家がサウスバウンド・ストック・コネクト・プログラムを利用することで、数十億ドルの資金が集まる可能性があり、年間最大5000億人民元(5400億香港ドル、700億米ドル、10兆5000億円)の取引が促進される」とMatrixportは4月12日のレポートで述べている。


「(潜在的な)利用可能容量に基づくと、香港ビットコインETFの利用可能容量は最大2000億香港ドル、つまり250億米ドルに達する可能性がある」とMatrixportは付け加えた。


この試算は、過去3年間の未使用の年間サウスバウンド・ストック・コネクト枠の平均がスポットETFに振り向けられるという想定に基づいている。


ストック・コネクト・プログラムにより、中国本土の投資家は年間5400億香港ドル(約10兆5000億円)相当の中国株を購入できる。しかし、360MarketIQのデータによると、過去3年間のフローは4500億香港ドル、4000億香港ドル、3200億香港ドルで、上限を1000億~2000億香港ドル(150億~250億米ドル)下回っている。


「つまり、ビットコインETFの投資枠は1000億~2000億香港ドルである可能性が残されている。2000億香港ドルは250億ドルに相当する」とMatrixportは説明している。


現時点では、承認が間近なスポットETFが中国本土の投資家に開放されるかどうかは不明だ。とはいえ、中国本土は代替資産への多様化に関心を持っているようで、最近の上海でのゴールド価格の高騰がそれを物語っている。


厳しく管理されている中国の人民元は対米ドルで2%近く下落し、景気減速と貿易黒字の縮小を背景に、2年間の連敗記録を更新した。


「中国の人民元は対米ドルで17年ぶりの低水準にある」とMatrixportは述べ、中国の中央銀行が金を購入し続けていることに言及し、「多様化の需要がある」とした。


コンテントファイ・ラブス(ContentFi Labs)のCOOであるニック・リュック(Nick Ruck)氏は、本土のファンドが香港でETFを発行することに興味を持っていると述べた。


「本土を拠点とするファンドは、香港子会社を通じてビットコインETFの発行を申請している。承認されれば、本土の適格投資家はビットコインへのアクセスを拡大できる」と香港を拠点とするリュック氏はCoinDeskに語った。


Nikkei Asiaによると、中国のトップファンドマネージャーであるボセラ・アセット・マネジメント(Bosera Asset Management)の香港法人であるハーベスト・グローバル・インベストメンツ(Harvest Global Investments)と中国の証券会社GFホールディングス傘下のバリュー・パートナーズ(Value Partners)が香港でETFを申請している。


12月、香港証券取引所(HKEx)の報告によると、ストック・コネクト・プログラムは2022年7月に香港上場のETFに拡大された。2023年半ばの時点で、同プログラムには香港上場のETF6銘柄が含まれ、1日の平均取引高は9月までに29億香港ドル(約567億円)に増加した。


アメリカでは4カ月前に10本近くのスポットETFが承認された。それ以来、これらのファンドは120億米ドル(約1兆8000億円)の資金を集め、ビットコインを7万3000ドルを超える史上最高値に押し上げた。


|翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Shutterstock|原文:Hong Kong-Listed Bitcoin ETFs Could Unlock Up to $25B in Demand, Crypto Firm Says

CoinDesk Japan

関連ニュース

最終更新:4/13(土) 10:00

CoinDesk Japan

最近見た銘柄

ヘッドラインニュース

マーケット指標

株式ランキング