2024年度に業績が大きく伸びる企業ランキング、海外勢が狙う大型株や半導体関連など50社

3/18 6:32 配信

東洋経済オンライン

3月18日に発売となった『会社四季報』2024年2集(春号)の各上場企業の業績記事では、「続伸」や「上向く」「最高益」など好調ぶりを示す見出しが多かった。上場企業の大半を占める3月期決算企業の場合、見出しは新年度(2025年3月期)予想についてのもので、今後の見通しの明るさを示しているといえる。

 『会社四季報』では毎号、複数のランキング企画を用意している。今回の春号では、巻頭で「四季報予想が会社計画より強気の乖離率ランキング」や「前号からの増額率の大きい企業ランキング」などとともに、「来期増益率ランキング」を掲載している。

 2023年度の業績が冴えなかった半導体関連株が年初から急騰していることからもわかるように、株式市場の関心は新年度業績に移っている。春号掲載の「来期増益率ランキング」では、今期が2桁以上の減益や今期の予想営業利益が10億円未満、低ROE(自己資本利益率)の企業を除く形で、来期の営業増益率を高い順にランキングした。

■来期に利益を2倍以上増やす企業

 本記事では、さらに「来期営業利益が50億円以上」に条件を引き上げたランキングのトップ50社を紹介する。

 1位は、調剤薬局のクオールホールディングス(3034)。今2024年3月期は調剤が想定ほど伸びなかったが、来2025年3月期は新店が寄与して処方箋枚数が増加。薬剤師派遣が堅調なうえ、買収した第一三共エスファの上乗せもあり、大幅な増収増益が見込まれる。

 2位のオイシックスラ大地(3182)の来2025年3月期は、通販会員数が横ばいでも、買収したシダックスの業績寄与が通期化。買収関連費用やセンター開業費がなくなり、営業利益が倍増しそうだ。

 続いて、求人情報サイトのエン・ジャパン(4849)が3位にランクイン。来2025年3月期は大口企業を中心に利用が増えるのに加え、採用サイト作成支援事業の赤字縮小が効いて、利益回復が進みそうだ。

■海外投資家が狙う大型株

 日経平均株価は年初から海外投資家による大型株中心の買いで高値を更新したが、グロース市場などの中小型株は一部のAI(人工知能)関連を除いて低調だった。海外勢の買いが続くとすれば、時価総額1000億円以上の企業群が引き続き注目だ。

 ランキングで時価総額3000億円を超える企業は、まず5位に入ったラクス(3923)。減益覚悟の成長投資フェーズが終わり、中期計画の最終年度である2025年度の純利益100億円目標に向けて利益を膨らませる段階に入っている。「楽楽精算」や「楽楽販売」も想定以上に伸びており、今期に続いて来期も大幅な増益が見込まれる。

 ただ、グロース株特有の高PER(株価収益率)がたたり、株価は上値の重い展開が続く。それでも、来期予想PERは100倍を下回ってくる。新年度の純利益予想が見えてくれば、見直される可能性もありそうだ。

 同じく時価総額3000億円台のクスリのアオキホールディングス(3549)が6位。北陸最大手のドラッグストアで、今期も生鮮食品の強化が効いて客数が増えるうえ、日用品の値上げ効果もあり増収増益が見込まれる。だが、取締役らへの株式報酬費用があり、利益の伸びは鈍い。これがなくなる来2025年5月期は食品の好調も続きそうで、大幅な増益が見込まれる。

 より海外投資家の買いが入りやすい大企業で見れば、9位ニデック(6594)、10位デンソー(6902)、15位日本航空(9201)、20位王子ホールディングス(3861)、36位東ソー(4042)、38位アイシン(7259)、49位三菱重工業(7011)、50位ディスコ(6146)が来期の営業利益が1000億円を超す水準だ。

 最も利益額が大きいデンソーは、今期に燃料ポンプのリコールがあっても電動車システムなどが好調で、最高益の見通し。来2025年3月期はリコール費用がなくなることで大幅増益を見込んでいる。

 なお、この大企業の中で半導体関連はディスコのみだが、1000億円まであと一歩のところまで迫ったレーザーテック(6920)が45位。28位のアルバック(6728)も半導体関連。ディスコは今期が減益でも来期は利益の急反発が見込まれる。エヌビディアの躍進とともに半導体関連銘柄は人気が強く、新年度の大幅増益の確度も高まっているようだ。

(本記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)

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最終更新:3/19(火) 8:22

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