【米国市況】債券安、PCE統計後も年内利上げ観測変わらず-株横ばい

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Bloomberg
年内の米利上げ観測変わらず、国債売り

年内の米利上げ観測変わらず、国債売り

(ブルームバーグ): 26日の米株式市場ではS&P500種株価指数がほぼ変わらず。エヌビディアの決算発表を前に積極的な売買が手控えられ、方向感に乏しい展開となった。米連邦準備制度理事会(FRB)が年内に利上げを実施するとの観測から国債利回りは上昇した。

エヌビディアは決算発表を控え、株価が1.6%下落。S&P500種はもみ合う場面が目立った。国債市場では短期債の下げが相対的にきつかった。米経済が引き続き堅調であることを示す統計を受け、短期金融市場は12月までのFRB利上げを完全に織り込んだ。

7月の米個人消費支出(PCE)価格指数はコアが前年同月比で3.3%上昇と、予想通りになったものの、なおFRBの目標を大きく上回っている。原油相場は荒い値動き。ロシアがウクライナでの戦争を激化させる動きに出ているとのブルームバーグの報道を受け、急伸する場面もあった。

モルガン・スタンレー・ウェルス・マネジメントのエレン・ゼントナー氏によると、利上げ観測を強める材料への警戒感が根強いなか、最新の経済指標は必ずしも市場が望んでいた内容ではなかった。

4-6月期(第2四半期)の米実質国内総生産(GDP)改定値は前期比年率1.5%増と、速報値から変わらずで、市場予想に一致した。ただ、内訳では個人消費と設備投資が速報値より強かった。

今回のデータだけで9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合を巡る情勢を変えるには至らなかったが、今後の指標も同じ方向を示せば、政策当局者は様子見姿勢の修正を迫られる可能性があると、ゼントナー氏は指摘した。

eToro(イートロ)のブレット・ケンウェル氏は「課題はますます明確になっている。インフレ率は依然として高過ぎる。ウォーシュFRB議長が28日のジャクソンホールでの講演で、インフレ率を長期目標に戻す道筋を示すかどうかに注目が集まっている」と述べた。

LPLファイナンシャルのジェフ・ローチ氏によると、転換点が近づいている可能性はあるものの、所得の伸びがインフレ率を上回る状況が続いており、消費者には追い風となっている。

同氏は「政策当局者にとって、リスクのバランスは依然としてインフレの方に傾いている」と指摘。「地政学的な緊張が近く和らげば、コアインフレ率は3%を下回る可能性があり、市場にとって明るい材料となる」と述べた。

国債

米国債利回りは短期債を中心に上昇(価格は下落)。PCE価格指数がFRBの目標をなお大きく上回ったため、FRBが年末までに利上げを開始するとの観測は変わらなかった。

5年債入札では最高落札利回りが4.393%と、入札前取引の水準4.391%をわずかに上回った。入札後、国債相場は横ばいで推移した。

7月のPCE価格指数は前月比0.2%上昇し、エコノミスト予想の0.1%上昇を上回った。食品とエネルギーを除くコアPCE価格指数は前月比0.2%上昇、前年同月比では3.3%上昇し、いずれも予想と一致した。

BMOキャピタル・マーケッツのストラテジスト、ヴェイル・ハートマン氏は「PCEコア価格指数は、7月のインフレ指標を幾分心強いとしたFRBの見方に沿うものだったが、9月利上げの可能性を十分に残す内容だった」と記した。

金利スワップ市場では、9月利上げの確率が43%と示唆された。統計発表前は40%弱だった。12月までの0.25ポイントの利上げは完全に織り込まれた。

PCE統計では、実質PCEは横ばいにとどまった。消費は夏の前半に堅調だったものの、景気が減速しつつあることを示唆する指標が相次いでいる。

2年債と5年債を選好するTCWグループのグローバル金利共同責任者、ジェイミー・パットン氏は「今回のデータは、FRBが政策を据え置き続けるとの見方と一致する」と指摘。「FRBが利上げを急ぐべき理由は特に見当たらない」と述べた。

外為

外国為替市場では、ドルが主要通貨に対して上昇。PCEコア価格指数の発表後、国債利回りの上昇を背景に、ドル買いが優勢になった。

対ドルでの円相場は下落。米国債利回りの上昇と共にドル買いが優勢となり、円は下げに転じた。一時は1ドル=159円45銭まで売られた。

ブルームバーグ・ドル・スポット指数は一時0.3%高と、約4週間ぶりの大幅高となった。ベッセント長官が先週、予想外の措置を打ち出したことで生じた下落の約半分を取り戻した。

マニュライフ・インベストメント・マネジメントのネイサン・スフト氏は「PCEは際立って強い内容ではなかったが、インフレが完全には消えていないことがあらためて意識された」と述べた。

原油

原油相場は小幅下落。ロシアのプーチン大統領がウクライナへの攻撃激化を計画していると伝わり、一時急伸する場面もあった。投資家は、ホルムズ海峡を通じた輸送再開に向けた外交努力の進展や、中東地域からの輸送量増加を巡る動きを見極めようとしている。

北海ブレント10月限は前日比74セント(0.8%)安の1バレル=87.84ドルで終了。ロシアによるウクライナ攻撃激化計画の報道を受け、一時は前日比1%余り上昇し、89ドル台後半まで値を上げた。

ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)10月限は、同13セント(0.2%)安の82.23ドルで引けた。

ブルームバーグ・ニュースは、ロシアが和平合意に向けた協議が行き詰まったと判断し、ウクライナに対する攻撃のエスカレートを準備していると報じた。

ロシアとウクライナはここ数カ月、互いの領土への空爆を激化させている。ウクライナによる製油所や港湾への攻撃で燃料の供給が逼迫(ひっぱく)し、ロシアは原油を輸出に振り向けることが難しくなっている。イラン戦争の余波で世界の石油市場はすでに混乱しており、需給が一段と引き締まっている。特に影響が大きいのがディーゼル油で、ニューヨーク市場の先物価格は今年に入り2倍超に上昇した。

オマーンとイランはホルムズ海峡の管理を巡り、より包括的な合意を目指している。イランは、両国が同海峡から得られる収入の分配で合意したと明らかにした。ただ、海峡の管理から米国を除外する合意を、米国が受け入れるかどうかは依然不透明だ。

ペルシャ湾からの原油輸送は増えているもようだ。トランプ米大統領は26日、1000万バレルの原油がホルムズ海峡を通過したと主張した。数カ月にわたる混乱を経て、この重要な海上交通路を通じた輸送が増加しているとの期待が高まった。

衛星画像からは、ペルシャ湾内でサウジアラビアの原油積み出しが増えている様子もうかがえる。イエメンの親イラン武装組織フーシ派が紅海経由の輸出を脅かすなか、サウジが原油輸送の代替手段を確保しつつあることを示す新たな兆候だ。

BOKファイナンシャル・セキュリティーズのデニス・キスラー氏は「原油市場では、ホルムズ海峡を通過する供給量がさらに増えるとの見方が引き続き優勢だ」と指摘した。「ただ、通航がさらに拡大する時期について確かな見通しがまだ立っていないため、多くのトレーダーは様子見に回っている」と述べた。

ホルムズ海峡を通じて1日当たり数百万バレルの原油が域外に輸送されているものの、船舶への攻撃も続いている。一方、石油精製品の域外への輸送量は依然として少なく、価格も高止まりしている。

米エネルギー情報局(EIA)が26日に発表した週間統計によると、先週の全米の石油在庫は6万バレル増と、ほぼ横ばいだった。ディーゼル油とガソリンの在庫は、この時期として過去最低の水準に減少した。原油の供給が増えているにもかかわらず、燃料の供給不足が続いていることを示した。

金

金相場は下落。投資家の注目は、ジャクソンホール会合(カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム)を控え、FRBの金利政策の行方に移っている。

金スポットは下落し、1オンス=4600ドル近辺で取引された。それでも月初から約14%上昇している。米財務省が先週、債券市場への予想外の介入を表明したことを受け、金相場は直近で上昇していた。

米国の膨大な債務に伴うコストを抑えようとする最近の取り組みを受け、「通貨価値の希薄化(ディベースメント)」を意識した取引への関心が再び高まっている。こうした取引は昨年、金相場が過去最高値を更新する原動力となった。当時、投資家は膨張する財政赤字やドル安から資産を守るため、ヘッジ手段として金を買っていた。

金価格は、相場の勢いを測る重要な指標とされる200日移動平均線を上回った。投資家の裾野が広がっていることを示す動きとして、ブルームバーグが集計する金を裏付けとする上場投資信託(ETF)の保有量は先週、28トン以上増加し、1月以来の大幅な伸びとなった。

TDセキュリティーズのアナリスト、ライアン・マッケイ、バート・メレク両氏はリポートで「貴金属は高値圏で安定して推移している」と指摘した。一方、エネルギー価格の高止まりや根強いインフレリスクを背景に、短期的な上値余地は限られるとの見方を示した。「今回の上昇が再び過去最高値を目指す動きにつながるとみるのは、時期尚早かもしれない」としている。

金スポット価格はニューヨーク時間午後2時48分現在、前日比60.27ドル(1.3%)安の4596.90ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は、同41.20ドル(0.9%)安の4653.30ドルで引けた。

欧州

債券市場は、米国債の動きに追随し下落した。米個人消費支出(PCE)価格指数が市場予想通り上昇したほか、原油が下げ幅を縮小したことが背景にある。

ドイツ10年債利回りは3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して3.23%となった。25日は1週間超ぶりの低水準を付けていた。

短期金融市場は欧州中央銀行(ECB)の利上げ観測を拡大し、年末までに42bp、来年9月までに60bpの利上げを織り込んだ。ECBのシュナーベル理事は26日、金利をさらに引き上げる必要があるとの見解を示した。

市場は、27日に公表される7月のECB政策委員会会合の議事要旨に注目している。

欧州株は、投資家がエヌビディアの決算発表を待つ中、ほぼ横ばいとなった。

ストックス欧州600指数は、ほぼ変わらずで取引を終了。銀行株や食品・飲料株が上昇したが、ヘルスケア株は下落した。

欧州株は先週の続落から持ち直し、ストックス欧州600指数は終値ベースの過去最高値まで1%未満の水準となっている。ただ、域内ではパフォーマンスにばらつきがあり、今年はイタリアとスペインが上昇を主導する一方、フランスとドイツは出遅れている。

8月26日の欧州マーケット概観(表はロンドン午後6時現在)

原題:Stocks Churn Before Nvidia’s Results as Bonds Fall: Markets Wrap(抜粋)

Bond Yields Climb as Inflation Data Keeps Fed Hike Bets Alive

Dollar Hits Day’s High After In-Line Core PCE Print: Inside G10

Dollar Gains Most in Four Weeks as Inflation Backs Fed Hike Bets

Oil Dips as Traders Assess Hormuz Talks, Ukraine War Escalation

Oil Advances on Supply Concerns as Russia Moves to Escalate War

Gold Rally Eases as Traders Turn Focus to Fed Interest Rate Path

Euro Bonds Fall With Treasuries After US PCE: End-of-Day Curves

European Stocks Steady Before Nvidia Earnings; Banks Advance

--取材協力:畠山朋子.

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