米利下げ年内見送りのポジション構築-経済・物価動向受け金利市場

4/24 8:23 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 米金利市場のトレーダーは、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長率いる米金融当局が年内利下げを見送る可能性に賭け始めた。

米経済が底堅さを維持し、インフレ鈍化の進展が滞る状況にあって、金融当局者は最近、政策金利をより長くより高く据え置く見通しを示唆。その結果、広範なヘッジ手段に影響が波及している。

連邦公開市場委員会(FOMC)による5月1日の政策決定を前に、トレーダーは12月のFOMC会合以降まで当局が金利を据え置くシナリオをターゲットにして、政策金利に密接に連動する担保付翌日物調達金利(SOFR)に絡んだオプションのポジションを構築している。

一段と思い切った賭けとしては、金融当局が2024年にもう1回追加利上げする可能性についてもヘッジする動きがある。

いずれにしても、これはスワップに織り込まれたコンセンサス予想よりもタカ派的なものだ。スワップ市場では、年末までに計40ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)程度と、ほぼ2回の0.25ポイントずつの利下げが織り込まれている。

金融当局が将来的に緩和に転じることへのこうした信頼が、23日に行われた690億ドル(約10兆6800億円)に上る米2年債入札で、堅調な需要につながったと考えられる。

ただ、今月の米国債相場下落でさまざまな年限の利回りが年初来の高水準を付けたのを受け、トレーダーの一部は一層の相場低迷の可能性に備えている。

23日の米国債オプション市場で際だった流れは、現在約4.6%の10年債利回りが1カ月以内に5%を突破するという1100万ドルもの賭けだった。また現物市場では、JPモルガン・チェースの最新顧客調査で、中立ポジションが2カ月ぶりの大きさになっていることが示された。

一方、予想を上回るインフレ統計の発表が続いたことで、先物のポジションにも混乱が生じている。米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによれば、資産運用会社は2年債と5年債の先物で過去最大のネットロングにシフトした。

バンク・オブ・アメリカ(BofA)はこの変化について、利回り急上昇に伴いショートポジションを解消する動きを恐らく反映するものだと分析している。

原題:Traders Add Bets That Fed to Skip Interest-Rate Cuts This Year(抜粋)

(c)2024 Bloomberg L.P.

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最終更新:4/24(水) 8:23

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