米企業年金の運用に「一世一代のチャンス」-積み立て余剰21兆円に

3/29 15:20 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): かつて大手カメラ・写真フィルムメーカーだった米イーストマン・コダックでは、社内の小さい年金投資チームがここ数年であまりにも大きな利益を上げた結果、皮肉にもその仕事を失うことになった。

3万7000人余りの年金資産プールを運用する同チームは、ヘッジファンドやプライベートエクイティー(PE、未公開株)に資金を注ぎ込んだ結果、2億5500万ドル(約390億円)の積み立て不足に陥っていた同社の年金基金を、7年間で11億ドルの積み立て余剰に変えた。

コダックは今月に入り、年金の運用を外部の企業に移すと発表。同社の時価総額のほぼ3倍に相当する余剰資産をどのように活用するのが最善か検討する方針を示した。

コダックだけではない。相場の好調や金利上昇を受け、他の米企業でも、企業年金の一部である確定給付型年金は、過去の約束に伴う負の遺産から、予想外の貯蓄へと変貌を遂げている。

一方、保険会社や資産運用会社は、不安定な年金資産の運用から完全に手を引きたい企業に好機を見いだしている。

コンサルティング会社マーサーのパートナー、スコット・ジャーボー氏は「これは年金の一世一代のチャンスだ。年金基金の積み立てはかつてないほど潤沢となっている」と述べた。

マーサーによると、コカ・コーラ、クラフト・ハインツ、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)など、確定給付型年金を採用するS&P1500指数の構成企業は、2月末時点で計1370億ドル(約21兆円)の積み立て余剰となっている。2016年後半には、5000億ドル余りの積み立て不足に陥っていた。

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原題:Kodak’s Pension Windfall Points to $137 Billion Opportunity (1)(抜粋)

(c)2024 Bloomberg L.P.

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最終更新:3/29(金) 15:20

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