バークシャーの手元資金、過去最高を更新-保険事業好調で増益

5/5 9:07 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる投資・保険会社バークシャー・ハサウェイは、大型投資案件が乏しい中で手元現金水準が再び過去最高を更新した。営業利益は保険事業が寄与し増加した。

1-3月(第1四半期)末の現金保有高は1890億ドル(約29兆円)に達し、昨年末の記録を上回った。1-3月期の営業利益は112億ドルと、前年同期の80億7000万ドルから拡大した。

バフェット氏(93)は以前から「目を見張るような」業績を達成できるような有意義な案件が不足していると指摘してきた。バークシャーは近年、アリゲニー買収(116億ドル)やオキシデンタル・ペトロリアムの株式購入などを進めたが、大型案件探しに苦慮している。

4日にネブラスカ州オマハで開かれたバークシャーの年次株主総会でバフェット氏は、現金保有高が今四半期末には2000億ドルに達するが、目立った変化をもたらす買収のチャンスはほとんど見当たらないと述べた。

バフェット氏は数千人の聴衆に「投資したいが、リスクがほとんどなく、大もうけできるような案件でない限り、投資しないだろう」と述べ、「時折あるような大きなチャンスに恵まれる」ことを望んでいると語った。その後、カナダ投資を検討していると付け加えた。

アップル株売却

バークシャーは1-3月期にアップル株を一部売却し、3月末時点の保有は1354億ドル相当と昨年末時点の1743億ドル相当から減少した。

ただ、バフェット氏はアップルについて、今回の売却にもかかわらず、バークシャーが株式保有するアメリカン・エキスプレスとコカ・コーラの2社よりも「さらに優れた」企業だと評価。アップルが年末まで最大の保有株であり続けるだろうと述べた。会場にはアップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)の姿もあった。

バフェット氏はまた、バークシャーが米メディア大手パラマウント・グローバルの保有株を損失が出る状態で売却したことも明らかにした。パラマウントは視聴者が伝統的なテレビ番組からオンライン番組へとシフトする中で困難な状況に直面しており、現在、買収交渉の対象となっている。

投資案件が不足する中でバークシャーは自社株買いにかじを切っており、4日発表の決算資料によると、1-3月期には約26億ドルを費やした。

保険事業の利益は26億ドルと、前年同期の9億1100万ドルから急増した。自動車保険会社ガイコの業績改善や災害の減少、保険投資収益の増加が寄与した。鉄道部門であるBNSFは前年同期比8.3%減益となったが、これは「事業構成の不利な変化」と燃料サーチャージ収入の減少によるものだとバークシャーは説明した。

バークシャーの年次総会には数千人のバフェット信奉者が集まった。バフェット氏の長年の投資パートナーだったチャーリー・マンガー副会長は昨年11月下旬に99歳で死去しており、今回はマンガー氏不在の初の総会となった。

原題:Berkshire Cash Hoard Scores Another Record as Earnings Gain (3) (抜粋)

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最終更新:5/5(日) 9:07

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