モルガン・スタンレー、非公開企業の株売買サービス提供-富裕層向け

3/5 1:16 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 米銀モルガン・スタンレーのウェルス・マネジメント部門は、注目される未公開企業の株式を売買する機会を顧客に提供する。背景には、スタートアップ企業の間で新規株式公開(IPO)を先延ばしする傾向が強まっていることがある。

4日に発表された声明文によると、非常に細分化され不透明な未公開株市場への投資を希望するモルガン・スタンレー・ウェルス・マネジメントの顧客を支援する。「ユニコーン」と呼ばれる評価額10億ドル(約1500億円)以上の未公開企業1000社余りの株式が現時点で一般の投資家が広く売買できない状況にあるという。

プライベート市場では、従業員や一部の機関投資家が株式を適格投資家に売却することができる。未公開企業の株式は相対的に流動性が低いため本質的にリスクが高いが、ソーシャルメディアのレディットのような企業の成長を取り込みたい投資家を引きつけている。レディットは非公開企業として約20年を経て、今月IPOに踏み切る予定だ。

モルガン・スタンレー・ウェルス・マネジメントのプライベート・マーケッツ・ソリューションズ責任者、ケビン・スワン氏は「ここ数年、IPOまで待つのではなく、価値創造が起こっている間にこうした企業に出資しようとする圧力が高まっている」と指摘。「当社では投資家が流動性を必要とする際に、ソリューションを提供したいと考えている」と述べた。

このサービスは、フォージ・グローバル・ホールディングスやレインメーカー・セキュリティーズがすでに運営している未公開企業の株式売買プラットフォームと競合することを目的としたものではない。モルガン・スタンレーはむしろ、外部のプラットフォームだけでなく、社内のさまざまな部門とも協力して、それぞれの状況に応じて取引を完了させる、とスワン氏は電話インタビューで語った。

対話型人工知能(AI)「ChatGPT(チャットGPT)」を手掛けるオープンAIやイーロン・マスク氏が率いる米宇宙開発企業スペースXのような未公開企業の評価額は急上昇しており、ここ2年余り低迷していたIPO市場とは対照的だ。ブルームバーグがまとめたデータによると、過去2年に米国市場への上場を通じて調達された資金はわずか440億ドルで、2021年の調達資金の10分の1強に過ぎない。

原題:Morgan Stanley Offers Pre-IPO Share Trading to Wealth Clients(抜粋)

--取材協力:Lauren Tara Lacapra.

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最終更新:3/5(火) 1:16

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