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バイデンよりトランプ大統領のほうが株が上がる!カカオ豆暴騰でチョコレート会社に投資のチャンスってどういうこと!?

3/29 14:01 配信

ダイヤモンド・ザイ

●カカオ豆の暴騰が大きなチャンス!?  大きな経済指標が変化するときに投資機会がある
 2024年3月26日(火)、米国・シアトルからメルマガ&オンラインサロン「ポール・サイの米国株&世界の株に投資しよう! 」で情報配信をしている元フィデリティ投信トップアナリストのポール・サイさんが、ストックボイス社が手掛ける経済・マーケット番組「WORLD MARKETZ」(TOKYO MX 月~金 22時~23時)に生出演した。

 前回の放送では、カリブ諸島のセントルシアに泊めてあるヨットからZoomで生出演したポールさん。日本株全体の今の上昇は、円安とデフレからインフレへの期待が主なドライバーで、上昇トレンドに入った可能性は低いものの、信越化学工業(4063)やパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)といった独自の強みを持つ銘柄は買ってもいいとのことだった。

 今回の放送でも、ポールさんはカリブ海のヨット上から登場。日米の給与格差に為替がかかわっているという話から、最近マーケットで注目されているカカオ豆の暴騰とそれを利用した投資機会の話、アメリカの大統領選と株式市場といった話まで多岐にわたって語ってくれたので、さっそくチェックしていこう。

●カリブ海のグアドループのヨット上から経済番組にZoom生出演
 番組冒頭、アシスタントの木村カレンさんが、ポールさんは今回カリブ海のグアドループから出演していることを紹介した。

 「グアドループ?  どこ? 」と番組MCの渡部一実さんが首をかしげていると、ポールさんはヨットの上からZoomを使って、グアドループはフランス領で、フランスのハワイみたいなところだと教えてくれた。

 また、フランスは実は海洋大国で、陸の面積は広くないけれど、排他的経済水域(EEZ)の面積が世界2位なんだそう。

 番組の最後に、ポールさんがグアドループの様子をカメラに映してくれたのだが、先に掲載しておくと、ヨットハーバーや漁港などの様子を確認できた。

●日本の平均給与はアメリカの半分以下!  日本が悪いインフレになるか、いいインフレになるかは給与アップ次第
 そんなカリブ海を航海中のポールさんが、アメリカと日本の給与格差や為替について友人と雑談していると「ダイヤモンドザイのブログ」に書いてあったけれど、それはどういう状況ですかと渡部さんが質問した。

 ポールさんと友人の雑談について詳しくは上の記事を読んでほしいのだが、渡部さんが発言した「ダイヤモンドザイのブログ」というのは、正確にはザイオンラインに連載中の当コラム「成長する米国&世界に投資する最強のFIRE計画(プロジェクト)のことだ。

 当コラムは、ポールさんが執筆した記事と、ポールさんが「WORLD MARKETZ」に出演した様子をレポートした記事の2本立てで成り立っているのだが、今度はその「WORLD MARKETZ」が当コラムを逆輸入する形で紹介してくれたことになる。

 そのことがうれしかった記者の話は横に置いて、ポールさんの雑談に話を戻すと、雑談していたのはポールさんの福岡のヨット仲間2人で、1人は日本在住45年のアメリカ人、もう1人は日本人とのこと。

 この2人とともに、シアトル在住アメリカ人のポールさんがカリブ海を航海しているからこそ、日本関係の話題が多くなって、日米の給与格差や為替についての雑談にもなったようだ。

 日米の給与格差というのはつまり、日本よりアメリカのほうが給与が高いということだが、そうなっているのは為替が円安になっているからとポールさん。

 米ドル/円は過去、100円から130円の間をウロウロしていたけれど、今は150円になってしまって、いろいろな経済指標にズレが出てきているという。

 日本の平均給与で言うと、アメリカの半分以下になっていて、ポールさんが放送日に見た数値では、アメリカの大学新卒の給与中央値は6万ドルで、日本円では900万円。高卒だと3.6万ドルで日本円では545万円だそう。

 これは日本よりはるかに高く、特にテクノロジー関係の仕事は給与がかなり高いようだ。

 この給与格差を調整するために必要なのは円高か給与アップで、政府と日銀が望んでいるのは給与倍増だと思うとポールさん。

 給与が上がると経済はいい循環に入るものの、円安のまま給与が上がらないと、当然貧しくなってしまう。

 日本が悪いインフレになるか、いいインフレになるかは、給与アップできるかどうかで決まるとのことだった。

●政府も給与倍増を狙っているため、積極的な為替介入はせず、円安を容認。日本人は資産をグローバルに分散したほうがいい
 すると、渡部さんがポールさんに為替の話を聞きたいと切り出した。

 日銀は金融を引き締めていく方向で、FRBが利上げが終わって利下げしていく方向なら、普通は米ドル安円高に向かうと考えるけれど、今は1米ドル=151円であることをどう見ているのかとポールさんに質問した。

 まず、為替と株には、将来の出来事を織り込むという似たような性質があるとポールさん。

 日銀がマイナス金利などを止める話と、アメリカの金利が少し低下する話は、すでにみんなわかっていたことだから、それが実現しても為替は反応しなかったようだ。

 また、日米金利差が少し縮んでも為替が動かなかったということは、今のレベルで膠着していて、簡単に円高にはいかないかもしれないとのこと。

 政府も給与倍増を狙っているため、積極的に為替介入はせず、円安を容認する要因になっているという。

 アメリカより給与が低い日本人にできることは海外に投資すること。自分のお金を海外で働かせて、資産をグローバルに分散したほうがいいというのが、ポールさんの揺るぎない結論だ。

●カカオ豆暴騰でチョコレート会社に投資のチャンス! 
 続いては、最近マーケットで注目されているカカオ豆の暴騰について。

 渡部さんは「カカオ豆がすごいことになっている。ここから何か投資のヒントをください。僕に」と、ポールさんからいいアドバイスを自分だけもらう気マンマンで質問した。

 カカオ豆は過去の平均から4倍くらい上昇していて、その理由はエルニーニョ現象で気候変動しているからだそう。アフリカで雨が少なくなったり、カカオ豆の木が病気になったりして、カカオ豆の生産量が今年の予定の半分しか追いついておらず、40万トン足りない状況に陥っているようだ。

 ここで、ポールさんが言いたいことが2つあるという。それは「エルニーニョ現象はずっと続くわけではない」ことと、「大きな経済指標が変化するときに投資機会がある」ということだ。

 大きな経済指標の変化というのは、ここではカカオ豆の暴騰のこと。そして、投資機会の具体例としてポールさんが挙げたのが、ザ・ハーシー・カンパニー(HSY、ハーシー)というアメリカのチョコレート会社だ。

 カカオ豆の値段が上がれば、ハーシーの利益率は圧迫されるけれど、ハーシーもチョコレートの値段を一生懸命上げようとして、利益率を回復させようとしているのだという。

 そして、ハーシーのチョコレートの値上げは、時間をかければ通り、その後に値下げをしないとポールさんは見ている。

 その理由としては、アメリカのチョコレート業界はある程度寡占化していること、チョコレートはタバコの次くらいに常習性があり、値段が上がったからといってチョコレートを食べなくなるわけではないことが挙げられるとのこと。

 つまり、暴騰しているカカオ豆の値段がいつか下がったときに、チョコレートの値段は下がらないため、ハーシーの利益率が高くなって儲けが良くなる可能性があるというのだ。

 そうはいっても、カカオ豆の値段はエルニーニョ現象が落ち着き、生産量が回復しないと下がらないため、ハーシーの儲けが今すぐ良くなるというわけではなく、1年2年のスパンで考える必要はあると、ポールさんは注意書きを付け加えた。

 そうすると、渡部さんが「カカオ豆の暴騰もいつか戻るのだから、今ハーシーを仕込んでおくチャンスという見方ですか」と食いついてきた。

 実際にハーシーの株価を見てみると、カカオ豆の値段が上がったところで、ハーシーは下がったけれど、最近の株価は安定してきているとポールさん。

 つまり、ハーシーの株価はカカオ豆の値段上昇をある程度織り込んでいて、カカオ豆の値段が高止まりしても、おそらく株価は変わらない。

 であれば、タイミングを探りながら2、3年先の投資として考えてもいいのではないかとポールさんは結論付けた。

●バイデンよりトランプが当選したほうが株は上がる。4年後は2人とも出馬できず、アメリカは普通の政治に戻る
 最後は、アメリカの大統領選と株式市場の話題に。

 3月20日(水)のFOMCで、年末までに3回利下げするドットチャートが示されたこともあり、現在の株式市場は堅調。それはトランプ(氏は以下省略)とバイデンのいずれにもとっても都合がよさそうだけれど、大統領選の結果によってマーケットが左右されることはあるのか、渡部さんがポールさんに聞いた。

 トランプは財政出動や減税などインフレが進む政策を行うので、トランプが当選したほうがおそらく株は上がるだろうとポールさん。

 前回の大統領選でも、クレイジーなトランプが当選したら株が下落するのではないかという警戒感が高まったのに、実際に当選すると株価が大きく上昇したという出来事は記憶に新しいところだ。

 一方のバイデンも、当選すると株にとってある程度プラスだけれど、バイデンは増税や富の再配分を重視するため、株式市場全体にとってはトランプのほうがいいそう。

 なお、マイナーなところでは、不法移民対策を重視するトランプが当選すると、不法移民を拘束する民営刑務所を運営するジオ(GEO)グループという銘柄も上がりやすいようだ。

 それでは、トランプとバイデンのどちらが当選しそうなのかというと、大統領選は3つ4つのスイングステート(激戦州)の結果で決まり、今はどちらも当選の可能性があるけれど、ポールさんが観察する限り、トランプが勝つ可能性が大きいようだ。

 なお、未知数な部分としては、トランプもバイデンも年寄りで、健康の問題が出るリスクは常に存在しており、そこで急に変わる可能性は捨てきれないという。

 また、トランプが当選したとしても、あと4年経てば、トランプは大統領選には出られないし、バイデンも年を取りすぎて出られないだろうから、そうなるとアメリカは普通の政治に戻るのではないかということだった。

 ここまで、3月26日(火)放送の「WORLD MARKETZ」に電話出演した、ポールさんのマーケット解説を中心にお届けした。

 「ポール・サイの米国株&世界の株に投資しよう! 」

ダイヤモンド・ザイ

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最終更新:4/3(水) 15:21

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