(ブルームバーグ): 米アップルはタブレット端末「iPad Pro」最新機種の広告について、多くのクリエーターや消費者を動揺させたとして異例の謝罪に動いた。また、テレビでの放映計画は実施しないと説明した。
広告は楽器やテレビ、ペンキ缶などクリエーティブな道具がiPadに次々と押しつぶされていく様子を表現したもので、ソーシャルメディアで広く批判された。これはアップルの販売キャンペーンとして前例のない反応だ。俳優のヒュー・グラントは、この広告は 「人間としての経験の破壊 」を促進していると指摘した。
人工知能(AI)の時代であることに加え、規制当局がアップストアなどに厳しい目を向ける中で、今回の広告はアップルにとって幸先が良くないとの意見もあった。
トー・マイレン副社長(マーケティング・コミュニケーション担当)はアドエージ向けの発表資料で「創造性はアップルのDNAであり、世界中のクリエイターに力を与える製品をデザインすることはわれわれにとって非常に重要だ」とした上で、「iPadを通じてユーザーが自分自身を表現し、アイデアを実現する無数の方法について常に称賛することを目指しているが、この動画は的外れだった。申し訳ない」と表明した。
アップルの広報担当者はこれ以上のコメントを控えた。広告はティム・クック最高経営責任者(CEO)のX(旧ツイッター)のアカウントに残っており、再生回数は5300万回を超えている。この広告は、7日に行われたiPad新機種と新しい「M4」チップの発表に影を落とした。
アップル「iPad」刷新、AI特化のProと大画面バージョンAir登場 (2)
原題:Apple Apologizes for iPad Pro Ad, Scraps Plan to Air It on TV(抜粋)
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最終更新:5/10(金) 8:41
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