株式週間展望:三角もち合い上放れ、日経平均は7万円奪回視野に
日経平均予想レンジ:6万7500円-7万円
来週の東京株式市場は、日経平均株価がこれまでのレンジ上限を突破し、三角もち合い上放れした。10月に入り名実ともに下期入りしたことで、機関投資家のポジション調整に伴う需給の重しが取れ、期初特有の新規資金流入も期待される。足元では半導体・テックセクターに復調の兆しが強まっているほか、国内の金融政策を巡っては政府側の慎重姿勢から早期の追加利上げ観測がやや後退している。
<アジア休場多く東京市場へ資金集中も>
これまで相場の調整要因となっていた半導体・電子部品セクターに、潮目の変化を示すシグナルが出始めている。市場ではAI用メモリーの生産調整懸念や、AIの開発に対する安全性の観点からの「減速論」がハイテクセクターの逆風になってきたが、先行指標とされる東アジアの半導体輸出(韓国産業通商資源部が発表する月次の半導体輸出額)がここへきて急激な回復を示した。これによりサプライチェーン上の在庫調整はおおむね峠を越したとの見方が広がっている。
これまでも市場は、低価格AI(人工知能)の台頭に伴う「ディープシーク・ショック」や巨大IT企業の投資回収遅れ懸念といった一時的なショックを克服するたびに、インフラ需要の強さを再確認して「慣れ」を形成してきた。日経平均への寄与度が高い主要な半導体・ハイテク中核株が、こうした事業環境の改善や新製品効果を背景に下値を切り上げることで、指数全体の騰勢を加速する原動力となる展開が期待される。
さらに、需給面における短期的な追い風も意識されやすい。来週は中国が国慶節の大型連休で休場となるほか、台湾や韓国でも祝日を挟む。アジア時間における主要市場が相次いで門を閉ざすなか、グローバルファンドによるテック株への投資資金が通常運転の日本市場へ一極集中する可能性がある。この流動性の偏在が、日経平均の支援材料として期待される。
国内の金融政策を巡っては、今週発表された指標や政策対話を通じて、利上げの先行きに対する解釈が強弱感のぶつかり合う格好となっている。1日に発表された9月の日銀短観では、大企業製造業の業況判断DIが堅調さを維持したものの市場予想をやや下回る着地となった。また、2日に発表された9月の東京都区部消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は前年同月比2.7%と市場予想を上回る強い伸びを記録し、インフレ圧力の粘着性を示している。
これら強いインフレデータの一方で、市場が注目したのは1日に公表された「日銀・9月金融政策決定会合の主な意見」である。会合内では、物価状況次第でペースの加速を求めるタカ派的な意見が見られたものの、政府側から出席した内閣府の出席者が「利上げ決定につき説明責任を果たすとともに、既往の利上げが累積的に与える影響について十分点検していただきたい」とする意見を維持した。市場では、この表現が維持されたこと自体が「政府からの早期の追加利上げに対する明確な牽制」とも受け止められた。
<初のTOPIX定期入れ替え公表>
10月第2週に入ると、国内では中間配当の権利落ちに伴う再投資の買い需要や、新半期に伴う新規資金の流入が期待される。きょう日本時間2日夜に発表される米9月雇用統計が米長期金利の一段の上昇を促すリスクは拭えない一方で、今月下旬から本格化する国内の決算発表への期待が個別株の下値を支える公算だ。先行する2・8月期の企業では、8日にファーストリテイリング <9983> 、9日に安川電機 <6506> がそれぞれ開示を控えている。
このほか、来週は5日からは毎年恒例のノーベル賞の受賞者の発表が始まる(5日:生理学・医学賞、6日:物理学賞、7日:化学賞など)。意外な投資テーマが浮上する可能性もあり、見逃せないところだ。また、TOPIX(東証株価指数)の初の定期入れ替えが公表される。9日はオプションSQに当たる。日経平均の予想レンジは6万7500円-7万円とする。
提供:ウエルスアドバイザー社
ウエルスアドバイザー
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