株式週間展望:米大統領選にFOMC、荒い値動きも

11/1 17:58 配信

ウエルスアドバイザー

――日経平均予想レンジ:3万6500-3万9500円

 今週は衆院選の自民党大敗を受けた与野党協力への期待から、日本株相場は前半にかけて上昇した。しかし、日銀の追加利上げが意識された後半は軟化し、往って来いの展開となった。来週には今年最大のイベントの米大統領選と議会選を控え、引き続き荒い値動きに備えておく必要がある。また、FOMC(米連邦公開市場委員会)後の為替の動きにも注意したい。

<「玉木トレード」いったん収束、日銀利上げ意識>

 衆院選は事前の予想通り自公で過半数を獲得できず、野党の立憲民主党と国民民主党が議席を大幅に伸ばした。日経平均株価はその直前までに直近高値から約6%下落していただけに、改めて結果が悪材料視されることはなく、逆に指数の押し上げにつながった。

 比較第一党を維持した自民は、玉木代表率いる国民民主に協力を要請。同党は「年収の壁」引き上げをはじめ財政拡張的な政策を掲げているため、円安と景気刺激期待から株式市場は好反応を示した。

 ただ、年収の壁を見直すための基礎控除の大幅な引き上げはハードルが高く、自民・国民民主の協議が順調に進むのかは不透明だ。投資家の「玉木トレード」はいったん収束したとみられ、今後の継続性は政局次第という情勢だ。

 一方、10月31日の日銀金融政策決定会合は現状維持となったものの、植田総裁は会見で政策金利の引き上げ時期が迫っている点を示唆した。これにより、11月1日は同日夜に出る米10月雇用統計や、翌週の米大統領選に対する警戒感も相まって、日経平均が前日比で1000円超値下がりした。

<トランプ勝利と議会ねじれが「理想形」?>

 来週は日本が祝日明けの4営業日で、取引終了時間の30分延長が導入される。現地5日に投票が締め切られる米大統領選と議会選は、6日の日本時間寄り付きごろから早い州で出口調査の結果が伝わり始める。このため日本株トレードはライブ状態となり、情勢によっては相場が大きく荒れる可能性もある。また、同日中に大勢は判明しない公算が大きい。

 次の大統領がトランプ前大統領とハリス副大統領のいずれになっても、米経済の堅調さは簡単に揺るがないと思われる。それでも市場はトランプ氏の勝利を織り込みつつあるため、ハリス氏の勢いが強まればいったんリスクオフに傾きそうだ。仮に負ければトランプ氏は結果を受け入れないかもしれず、混乱が拡大する恐れがある。

 また、トランプ氏優勢の場合でも、共和党が議会の上・下院とも制するほどの圧勝を飾れば、移民や貿易について極端な政策が実現しやすくなる。このため、最も「穏健」な結果は、トランプ氏が大統領になり、議会はねじれるケースだろう。

 6-7日のFOMCは、直前に雇用統計の発表や大統領選といったイベントが相次ぐため、9月に続く利下げが打ち出されるかは流動的と考えられる。ただ、追加利下げが決定され、日銀の年内利上げの観測と併せて円高を促す展開も視野に入れておきたい。

 来週の日経平均の予想レンジは3万6500-3万9500円とする。為替は大統領選直後はいったん大きく円安にフレる可能性もある。このほか、企業決算にも引き続き注目したい。

提供:ウエルスアドバイザー社

ウエルスアドバイザー

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最終更新:11/1(金) 17:58

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