米国の家賃、賃金の約1.5倍のスピードで上昇-19~23年

5/8 10:50 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 米国の大都市圏のほとんどで、家賃は2019年から23年まで賃金を上回るスピードで上昇した。不動産ウェブサイト運営のジロー・グループの分析で明らかになった。

ジローとストリートイージー、米労働統計局(BLS)のデータによれば、19-23年に全米で家賃が30.4%上昇したのに対し、賃金は20.2%増にとどまった。中でも移住先として注目されるフロリダ州ではその差が顕著で、タンパとジャクソンビルは賃金の3倍以上の速さで家賃が上昇した。

上位50都市圏のうち6都市圏を除き、家賃は賃金を上回るペースで伸びた。ホームレス問題や犯罪が政治問題になっているカリフォルニア州サンフランシスコでは、賃貸住宅の需要が弱く、家賃の上昇率は賃金の伸びを下回った。

米連邦準備制度が政策金利を決定する上で注視するインフレ指標は、家賃が大きな部分を占めており、年初からの数カ月、同カテゴリーは予想以上に上昇している。ジローのリポートによると、ミレニアル世代とZ世代の賃貸需要が国内の住宅不足と重なり、家賃の急上昇を引き起こしている。

「最大の障害」は家賃、FRBのインフレ抑制で-利下げためらう理由

イエレン米財務長官は3日、ブルームバーグ・ニュースに対し、「米国では手ごろな価格の住宅が圧倒的に不足しており、住宅が現実的な問題となっている」と指摘。その上で、新築集合住宅や一戸建ての賃料安定化に言及し、「インフレを押し上げてきた住居費が下がる公算はかなり大きいと思う」と語った。

イエレン氏、ファンダメンタルズはインフレ鈍化なお示していると指摘

リポートによれば、ニューヨーク市の家賃は昨年だけで、賃金の7倍以上のペースで上昇し、伸び率格差は国内トップだった。ただ、全米ベースでは昨年は家賃が3.4%上昇と、4.3%だった賃金の上昇率を下回った。好調な集合住宅建設が賃貸需要を吸収し、多くの地域で家賃の伸びを抑える形となった。

原題:US Rents Climbed 1.5 Times Faster Than Wages in Last Four Years(抜粋)

--取材協力:Christopher Condon.

(c)2024 Bloomberg L.P.

Bloomberg

関連ニュース

最終更新:5/8(水) 10:50

Bloomberg

最近見た銘柄

ヘッドラインニュース

マーケット指標

株式ランキング