トルネード・キャッシュ開発者、5年4カ月の実刑判決

5/15 20:15 配信

CoinDesk Japan

トルネード・キャッシュ(Tornado Cash)の開発者、アレクセイ・ペルツェフ(Alexey Pertsev)氏が5月14日、オランダの裁判でマネーロンダリングの罪で懲役64カ月(5年4カ月)の実刑判決を受けた。


31歳のロシア人開発者は裁判終了後、警察に護送され、裁判所の管轄する独房に入れられた。収監されるオランダ国内の刑務所が見つかるまでの間は独房で過ごすことになる。


「トルネード・キャッシュは犯罪資産の資金洗浄を防止する措置を取っていない」「それゆえ裁判所は被告をマネーロンダリングの罪で有罪とする」とCoinDeskが確認した判決文には記されていた。


裁判に先立ち公開された起訴状は、2019年7月9日から2022年8月10日の間、ペルツェフ氏は「マネーロンダリングを常習化」しており、トルネード・キャッシュ上での不正取引が犯罪であることを少なくとも疑うべきだったと指摘している。


ペルツェフ氏は、2022年8月にオランダの刑務所に収監された。これは、トルネード・キャッシュがアメリカ政府のブラックリストに登録された後のことだった。当時、米財務省はトルネード・キャッシュが北朝鮮を拠点とするハッキンググループ「Lazarus(ラザルス)」の主要ツールとなっていると疑っていた。ラザルスはブロックチェーンゲーム「アクシー・インフィニティ(Axie Infinity)」の専用レイヤー2「Ronin Network」からの6億2500万ドルのハッキングや他の大規模なハッキングに関与している。


今回のペルツェフ氏の有罪判決は、他のトルネード・キャッシュ開発者の今後の裁判にも影響を及ぼす可能性がある。ロマン・ストーム(Roman Storm)氏とロマン・セメノフ(Roman Semenov)氏はマネーロンダリングとアメリカの制裁違反の疑いがかけられている。ストーム氏の裁判は2024年9月に行われる予定だが、セメノフ氏はまだ逮捕されていない。ストーム氏はアメリカ政府がトルネード・キャッシュを制裁対象に加えた後、2023年に逮捕された。


ただしアメリカではマネーロンダリングのような犯罪容疑における個人の責任の取り扱いがオランダの法律と異なるため、12億ドル相当の資金洗浄について罪に問われていない。


|翻訳:Shun Ide|編集:CoinDesk JAPAN編集部|画像:Jack Schickler/CoinDesk, Camomile Shumba/CoinDesk|原文:Tornado Cash Developer Alexey Pertsev Sentenced to 64 Months in Prison by Dutch Court

CoinDesk Japan

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最終更新:5/15(水) 20:15

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