ビットコインキャッシュの値動きは、半減に期待するビットコイン強気派への警告かもしれない

4/13 11:00 配信

CoinDesk Japan

ビットコイン(BTC)の4回目のマイニング報酬半減、つまり供給拡大ペースの50%縮小が、約1週間後に控えている。4年ごとのこのイベントは、歴史的に数カ月の強気相場を予兆してきた。


しかし、この重要なイベントを前に、ビットコインの分派であるビットコインキャッシュ(BCH)はアラートを点滅させ、トレーダーに半減後の価格上昇への期待を見直すよう求めている。


2017年にオリジナルのビットコインブロックチェーンのハードフォークから生まれた暗号資産(仮想通貨)であるBCHの上昇は、そのブロックチェーンが4月4日に1ブロックあたりの供給量を3.125 BCHに半減させた1日後に715ドルを超えて力尽きた。その後、BCHの価格は15%下落して604ドルになったことがCoinDeskのデータで示されている。


CoinGeckoによると、BCHに関連するアクティブな永久先物の想定建玉(オプション契約にロックされている米ドル価値)、7日間で70%下落し、3億7600万ドル(約564億円、1ドル=150円換算)になった。一方、主要取引所における年率換算の永久資金調達率は今週初めにマイナスに転じ、強気のベットの巻き戻しを示している。資金調達率がマイナスになることは、永久先物が原資産のスポット価格より割安で取引されることを意味する。


マーケットメーカーであり流動性プロバイダーであるウィンターミュート(Wintermute)によると、BCHはBTCの半減が間近に迫っていることの代用品とみなされており、ビットコインが4月20日以降に売り圧力に直面する可能性があることを意味する。


ウィンターミュートはCoinDeskと共有した週刊ニュースレターの中で、「ここ1カ月の間、BCHに資金が流入しており、BCHは間近に迫ったビットコインの半減の代理として取引されている可能性がある」と述べている。


複数のアナリストは、BTCは差し迫った供給拡大ペースの鈍化をすでに織り込んでおり、半減後の典型的な「ニュースで売る」タイプの動きで下落する可能性があると警告している。投資銀行大手のJPモルガン(JPMorgan)は、半減の騒ぎが収まれば4万2000ドルまで売られると予想している。


ビットコインの価格は半減のかなり前に、2021年のピークを超え、7万3000ドルを超える新たな記録的な高値に達した。歴史的には、新高値は半減の数カ月後に訪れていた。


10X Researchによると、半減後のマイニング事業者の売却により、強気派が今後数カ月の間に価格を押し上げることが難しくなる可能性があるという。


「我々の計算では、半減後にマイナーは50億ドル(約7500億円)相当のBTCを清算する可能性がある」と10X Researchの創設者であるマーカス・ティーレン(Markus Thielen)氏は述べた。「この売り越しは4~6カ月続く可能性があり、ビットコインが今後数カ月、過去にそうであったように、横ばいで推移する可能性がある理由を説明している」。


ビットコインのマイナーとは、複雑な数学的問題を解いて取引を検証し、BTCで支払われる報酬と引き換えに新しいブロックをブロックチェーンに追加する存在だ。差し迫った半減は、ブロックごとの報酬を50%減らすことになる。


|翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:CoinDesk|原文:Bitcoin Cash Sends Bitcoin Traders Warning Sign About Halving

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最終更新:4/13(土) 11:00

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