(ブルームバーグ): 英国の失業率は上昇し、民間部門の賃金の伸びも鈍化した。広範な労働市場減速の兆候で、イングランド銀行(英中央銀行)は数カ月内の利下げへの自信を深めそうだ。
政府統計局の14日の発表によると、1-3月の失業率は0.1ポイント上昇し4.3%と、昨年夏以来の高水準となった。ボーナスを除く賃金上昇率は横ばいだったが、民間部門の賃金上昇率は5.9%に鈍化し、中銀予想の6%を下回った。
中銀は先週、16年ぶり高水準にある政策金利を早ければ6月に引き下げる可能性を示唆した。金融市場では利下げ観測はほぼ横ばいで、6月に0.25ポイントの利下げが実施される可能性は50%織り込まれている。
1-3月(第1四半期)の就業者数は17万8000人減少した。リアルタイム情報に基づく4月の雇用者数は8万5000人減少し、新型コロナウイルス対策のロックダウン状態にあった2020年5月以降で最大の減少幅となった。
ティー・ロウ・プライスの欧州担当チーフエコノミスト、トマシュ・ウィーラデック氏は「今回の発表では6月の利下げが暫定的に支持されたが、中銀が決定を下す前に消化しなければならないデータがまだある」と述べた。
原題:UK Jobs Market Continues to Cool, Keeping BOE on Track for Cuts(抜粋)
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最終更新:5/14(火) 16:34
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