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3ヵ月で10キロ減量し「理想の体」を手に入れた、39歳女性の「ダイエット後の地獄」…食事を楽しめず、サプリを手放せない

4/13 8:02 配信

マネー現代

(文 吉田 みく) 夏を前に、ダイエットを始める方も多いだろうが一歩間違えると「危険な状態」に陥る場合がある。

 特に炭水化物ダイエットに代表されるような、人間が体を維持するのに必要な栄養素を摂らない、また過剰な運動をするなど身体に大きな負担がかかる減量方法だと、場合によってはリバウンドしやすい体になったり、倦怠感によるうつ病の発症や拒食症にまで陥ってしまう場合もあるという。

 厚生労働省では、総エネルギーのうち、炭水化物の摂取目標量をおよそ50%~65%と定めている。例えば40代前後の女性で、身体活動レベルが一般的な人の場合、1日で約2,050カロリーの摂取が必要とされているが、そのうち約1300キロカロリー前後が炭水化物で占めているイメージだ。

 国際医療福祉大学医学部教授の奥仲哲弥氏は、<ダイエットの前提として、減量は1ヵ月に1.2キロのスローペースで行うことをおすすめします。

 体重を1kg減らすには、およそ7000kcalの削減が必要とされています。つまり1か月で体重を1kg減らすには、7000kcal÷30日で、1日およそ230kcal減らす必要があります。これは毎日、6枚切りの食パン1.5枚分を減らす計算となります。>

 とNHKの『読むらじる』の記事の中で伝えている。

 過剰なダイエットによる弊害は、リバウンドや生理不順、肌トラブルを引き起こすだけではなく、メンタル面にも大きく影響を与えるようだ。

 都内在住のミホさん(仮名、39歳)は、ダイエットコンテストに応募したことをきっかけに「理想の体」に目覚め、コンテスト終了後もストイックな減量が欠かせなくなったという。

 産後太りに悩んでいた、都内在住のミホさん(仮名:39歳)は、エステと食事指導が無料で受けられるダイエットコンテストに参加したことをきっかけに「理想の体」に目覚めた女性だ。

 厳しい審査に通過し見事、オーディションに受かったミホさんは、家族の応援のなか痩身を決意。しかし、それがきっかけで思いもよらない「後遺症」が待ち受けていた。

 <【前編記事】「100万円分がタダ」につられて応募した「ダイエットコンテスト」の過酷な中身…ある日、突然涙がとまらなくなった>に引き続きお伝えする。

ダイエットで精神的に追い込まれた

 ダイエットコンテストの目玉とも言えるエステも、回数を重ねるごとに苦痛を感じ始めたそうだ。

 「1回3万円ほどのエステを無料で受けられるのでラッキーと思っていたのですが、想像とは違いました。セルライト潰し、電気を使った腹筋運動、老廃物流し等の痩身エステは、想像以上に痛くて体力を奪われました。

 食事制限をしていたことも相まって、エステ終了後にはヘロヘロで休みながらでないと歩けないほどに……。エステティシャンさんたちからは『頑張って瘦せましょう! 』と言われ、体力ギリギリのところまで頑張りました」

 エステは一般のお客様の予約がない時間帯を利用しなければならないため、子育ての隙間時間を狙ってスケジュール調整をしたというミホさん。子どもの送迎や食事の用意をすべて夫に手伝ってもらい、なんとか乗り切ったという。

 夫や子どもたちの協力もあって、多い時には週3回ペースでエステに通えてはいたものの、エステサロンへ行くたびに「体重は落ちていますか?」と聞かれることが怖かったと話す。

 「急激な減量と精神的なストレスも影響して、生理周期が乱れるなどのトラブルもありましたが私のダイエットが理由で家族に多大なる迷惑をかけていると感じてたので、絶対に痩せなくちゃ! との想いが強かったです」

 3か月のダイエット期間が終わると、コンテストに合格した50人のダイエット仲間たちと再会することができたそうだ。

 共通の話題で盛り上がれるメリットはあったものの、ストイックにダイエットをこなしてきたこともあってか、会話のふしぶしにトゲを感じる人もいたそうだ。

 「『食べ過ぎると嫌だから料理は遠慮なく残すし捨てる。罪悪感はない』、『毎日浣腸をして体重管理をしている』などのストイックなエピソードを言い合う場面がありました。

 他にもダイエットの影響で精神的に病んでしまった仲間もいて、一時期、私生活が上手くいかないなどの長文の病みメッセージが届いたこともありました。

 賞金が出るコンテストだったので、『賞金で旅行に行きたい』などの話をしている時が一番楽しかったです。私は家族に恩返しがしたいと思っていましたが、残念ながら入賞とはなりませんでした」

ダイエットサプリが手放せない

 ミホさんの結果は3か月で10キロマイナス。目標体重の56キロには届かなかったが、ダイエットスタート時の70キロから大幅に減量し、かなりほっそりとした体型を手に入れることができた。

 ようやくダイエット地獄から解放されオシャレを楽しむ心身の余裕もできて、毎日楽しかったのだが、それが次第に苦痛へと変わっていってしまう。

 「ダイエット終了後のほうが地獄に感じました。お菓子を食べたらあっという間に太るし、すぐに体重は戻らない。年末年始など食事量が増える時は憂鬱でしかなくなりました。旅行も思うように楽しめず、最近は行くのを躊躇ってしまいます」

 体重増加に対して敏感になっているミホさんは、現在週5日のペースでジム通いをしているそうだ。ハードなワークアウトをこなしていることもあり、ダイエット終了直後よりも引き締まった体だという。

 育児・家事・ジムをこなす日々に充実感があるものの、夫からはあまり良い顔をされていないそうだ。

 「『そろそろ働きに出たら? 』と言われていますが、ジムに通えなくなると太ってしまいそうで不安です。私にとってジム通いは精神安定剤、フィットネスウエアをかっこよく着こなせている姿を見ると落ち着きます」

 過度なダイエットは数字上の結果が出やすいものの、長期的な視点で見ると、健康リスクの上昇や痩せにくい身体へと変化してしまうなどのデメリットも多い。体重を落とすことに注力しすぎてしまうと、筋肉まで落ちてしまうので注意する必要がある。

 ミホさんはダイエットコンテストをきっかけに理想の体型を手に入れることが出来たが、今は幸せなのだろうか。

 「食べ過ぎてしまうと、太ったんじゃないかと怯えています。毎日体重計に乗っているのですが、心臓がバクバクします。ダイエットコンテスト前の体型に戻ったら、家族を裏切ることになる、周囲から笑われるなど想像すると辛いです……」

 最近手放せないと話すのが、食前に摂取するダイエットサプリ。これを飲まないと外食が楽しめないそうだ。また、翌日は排便があるまでトイレに籠ってしまい、子どもの送迎時間に間に合わないことも珍しくないという。

 理想の体型を追い求め、ダイエットをするのは珍しいことではない。しかし過度なダイエットで自分を追い詰めることまでしてやるべきことではないと筆者は考える。

 適度な運動、バランスの良い食事を心がけ、お菓子などのカロリーの高いものを控えるだけでも健康的な身体を手に入れることはできる。心身のバランスを崩さぬよう気を付けてほしい。

マネー現代

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最終更新:4/13(土) 8:02

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