ウォール街のモメンタム取引、失速の機熟した恐れ-好調な四半期終え

3/29 9:11 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 金融界で最も高い知性の持ち主に愛されるウォール街で最もシンプルな株式戦略は、過去20年余りで最良の四半期を終えたばかりだ。

しかし、JPモルガン・チェースやPGIMクオンティタティブ・ソリューションズといった投資のプロは、トレンドを追う取引の崩れる機が熟したようだと今は警戒を強める。

ブルームバーグがロングショートポートフォリオを集計したところでは、モメンタムファクターとして知られるルールに基づく投資スタイルは、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーのような負け組を売る一方で、エヌビディアのような過去1年の勝ち組を買い上げるもので、今年1-3月(第1四半期)は2002年以降で最高の四半期となった。

米経済の紆余曲折にかかわりなく、この革新的なテクノロジーが数年後に利益をもたらす方向に賭ける投資家は、人工知能(AI)の有望株をこぞって買い、株式市場の上位勝ち組のバリュエーションを急騰させた。

だが、執拗(しつよう)に続くインフレに米連邦準備制度が予想以上に寛容になっているとの観測が広がり、途切れのない米景気拡大が、株式市場の不人気なコーナーも押し上げ始めた。過去1年の米株の熱狂的上昇から大きく出遅れていたエネルギー関連銘柄や小型株のような新たな勝者がすぐに現れる可能性が高まっている。

PGIMクオンティタティブ・ソリューションズのクオンティタティブエクイティーズ責任者、ステイシー・ミンツ氏は「株式市場の期待ほどインフレ率がスムーズに低下しない恐れがあり、モメンタムが急激に失われる危険が高まるかもしれない。モメンタムのタイミングを計るのは難しい。波に乗り砕ける前にいつ飛び降りるか決めるようなものだ」と指摘した。

19、20日に開かれた連邦公開市場委員会(FOMC)の会合後、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、金融緩和を巡り新たなタカ派的警告を発しなかった。米経済の健全な成長ペースが続く兆候が見える中で、モメンタム取引は不安定になりつつある。インフレは落ち着きつつあるが、脅威である状況は変わらない。

モルガン・スタンレーのマイケル・ウィルソン氏を中心とするストラテジストらは「米連邦準備制度はインフレや金融緩和についてあまり心配していないように思われ、リフレトレードが再び流行し始めた。市場の内部はこれに気付いているようだ」とリポートで分析した。

原題:Wall Street on Edge as Momentum Trade Wraps Up Historic Quarter(抜粋)

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最終更新:3/29(金) 15:20

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