米国株押し目買いの好機、キャッシュからのシフト推奨-BNYメロン

4/19 23:31 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 米国株が先月下旬につけた史上最高値から大きく後退していることで、投資家にとってはキャッシュに振り向けていた資金をシフトさせる好機だと、BNYメロンのウェルスマネジメント部門最高投資責任者(CIO)、シネイド・コルトン・グラント氏は指摘する。

S&P500種株価指数は2023年の24%上昇に加え、今年1-3月(第1四半期)には10%値上がりと、19年以来の好調なスタートを切っており、ここ3週間の低迷は健全な値固めだと同氏はみている。ここからは力強い企業利益の伸びと経済の勢いが継続することで、上値を伸ばすだけでなく、株高の裾野も広がると予想。年末時点のS&P500種見通しは5000-5400としているが、レンジ上限を上抜けることもあり得るという。

コルトン・グラント氏はインタビューで「過去に絶対的な安値を見つけようと待って、好機を逃した投資家の例は後を絶たない。振り向ける資金があれば、今はエクスポージャーの拡大を開始する望ましいポイントだ」と指摘。「妙味の大きい市場であり、投資家にとって最悪なのは、完全にキャッシュで運用することだ」と述べた。

BNYメロン・ウェルス・マネジメントでは、米国の大型株をオーバーウエートとしており、海外や新興市場国の株式よりも選好している。米国株のマルチプル(投資尺度)は他の市場より高い水準にあるが、コルトン・グラント氏は大手企業が生み出すフリーキャッシュフローを評価。とりわけテクノロジー、ヘルスケア、資本財セクターを選好する。

ここから株価が上昇するには企業利益が鍵を握る。BNYメロン・ウェルス・マネジメントでは、24年の企業利益を11%増と見込む。コルトン・グラント氏は米金融当局が利下げするかどうかは問題ではないと話す。08年の世界的な金融危機以降、大半の時期において低金利が続いてきたため、株式市場が好調を維持するには金利がゼロ近辺でインフレ率が2%近くでなければならないとの見方が定着したと説明。だが、それは欠陥のある論理だという。

「株式市場は、現在のようにインフレ率が2ー4%程度なら非常にうまくいく」とコルトン・グラント氏。「22年のようにインフレ率が5%を超え、2桁に向かうようなら問題だ。しかし、現在は株式にとってかなり建設的な環境だと考えている」と述べた。

原題:Buying This Dip Is Better Than Cash, BNY Mellon Wealth CIO Says(抜粋)

--取材協力:Sagarika Jaisinghani.

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最終更新:4/19(金) 23:31

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