明日の戦略-大幅安も25日線は上回る、決算発表一巡で来週は一進一退か
14日の日経平均は4日ぶり大幅反落。終値は312円安の39149円。米国株の上昇を受けても寄り付きは小幅安。前日は円安を追い風に大幅高となったこともあり、円安一服が嫌気された。開始直後にプラス圏に浮上したところですぐに売り直されると、以降は下値を探る展開。後場に入ると買い手控えムードが強まる中で売りは急がれた。終盤にかけては下げ幅を300円超に拡大。安値圏で取引を終えた。前引けではプラスだったTOPIXも下落。グロース250指数は1%を超える下落となった。
東証プライムの売買代金は概算で4兆9500億円。業種別では石油・石炭、電気機器、その他製品などが上昇した一方、非鉄金属、医薬品、繊維などが下落した。今期の2桁増収増益計画や自己株取得・消却が好感されたアシックス<7936>が後場急伸。半面、今期の見通しが失望を誘った大塚ホールディングス<4578>が後場に入って急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり473/値下がり1116。上方修正と自己株取得を発表したソニーGが8%を超える上昇となって上場来高値を更新。売買代金は全市場で2位と商いも膨らんだ。決算と併せて統合検討終了を正式に発表したホンダと日産自動車がそろって上昇。日産自動車は通期見通しを下方修正したが、悪材料出尽くしと受け止められた。ライオンや三菱鉛筆が決算を材料に急伸。上方修正や増配を発表した高砂香料が場中は値が付かずストップ高比例配分となった。
一方、IHIや川崎重工など防衛関連が大幅安。フジクラや古河電工など電線株も大きめの下げとなった。業績関連では下方修正を発表したSMCや今期減益を見込むJTが大幅安。GENOVAやセレスが2桁の下落率となった。グロース市場では上期減益着地のトライアルが19.1%安。前日ストップ安のカバーがきょうも売られて9.3%安と主力銘柄の弱さが目立った。
日経平均は大幅安。後場に一段と崩れており、前日の大幅高は基調の変化を示唆するほどのものではなかったもよう。それでも、終値(39149円)では25日線(39106円、14日時点)や39000円を上回った。来週はこれらより上で値を固めることができるかが注目される。1月24日に40279円まで上昇した後に失速したが、2月3日の38401円で売り一巡感が出てきている。中期では38000円~4万円レベルのレンジ相場が続く中、2月3日が当面のボトムになったのであれば、目先は4万円辺りを目指す展開が期待できる。
【来週の見通し】
一進一退か。国内は決算発表が一巡して個別の材料が少なくなる。米国も注目度の高い銘柄の決算発表が一巡した上に月曜17日は休場で、焦点が定まりづらい。トランプ米大統領の言動や金利・為替動向に神経質となる状態が続くと思われる。物色は日替わりとなりやすく、全体では楽観ムードが高まれば利益確定売りが出てくる一方、警戒ムードが高まれば押し目は拾われるだろう。指数の日々の振れ幅は大きくなるかもしれないが、強気にも弱気にも傾きづらく、週間ではそれほど値幅が出ないと予想する。
【今週を振り返る】
堅調となった。前週末の日米首脳会談が友好ムードとなり、週明け10日の日経平均は米国株安を跳ね返してプラスで終了。休場明けの12日はスタンダード指数が史上最高値を更新するなど中小型株物色が盛り上がり、全体でも買いが優勢となった。NISAの日の13日は円安進行に強い反応を示して500円近い上昇。一時39500円を上回った。14日は円安が一服したことで大幅安となったものの、週末値では39000円を上回った。日経平均は週間では約362円の上昇となり、週足では3週ぶりに陽線を形成した。
【来週の予定】
国内では、10-12月期GDP、12月第三次産業活動指数(2/17)、20年国債入札(2/18)、12月機械受注、1月貿易統計、1月首都圏新規マンション販売、1月訪日外客数(2/19)、1月消費者物価指数(CPI)(2/21)などがある。
企業決算では、ブリヂストン、ピーエイ(2/17)、トレンド(2/18)、横浜ゴム、フィスコ(2/19)などが発表を予定している。
海外の経済指標の発表やイベントでは、独2月ZEW景況感指数、米2月ニューヨーク連銀製造業景気指数、米2月NAHB住宅市場指数、米12月対米証券投資(2/18)、米1月住宅着工件数、米1月建設許可件数、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(1/28~29開催分)、米20年国債入札(2/19)、米2月フィラデルフィア連銀製造業景気指数(2/20)、米2月製造業購買担当者景気指数(PMI)(2/21)などがある。
米企業決算では、トランスオーシャン(2/17)、エンタジー、エクスペディターズ・インターナショナル・オブ・ワシントン、メドトロニック、バルカン・マテリアルズ、ジェニュイン・パーツ(2/18)、ガーミン、トリンブル、アナログ・デバイセズ(2/19)、ウォルマート、センターポイント・エナジー、サザン、クアンタ・サービシーズ、ハズブロ、プール(2/20)などが発表を予定している。
欧州では、2/20にエアバス、メルセデス・ベンツグループが発表を予定している。
なお、2/17の米国はプレジデント・デー(大統領の日)により休場となる。
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最終更新:2/14(金) 17:03