日銀の国債保有残高が第1四半期に減少、量的引き締めへの序曲か

4/26 16:26 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 日本国債の投資家は、日本銀行による量的引き締めを既に味わっているのかもしれない。

日銀のデータによると、1-3月期の日銀の国債純購入額は、償還額が膨らんだためマイナス2兆7900億円に減少した。期末に保有残高が減少することはよくあるが、四半期を通して減少したのは2008年以降で初めてのことだ。

日銀は26日の金政策決定会合後に発表した声明文で、国債の買い入れは3月に決定した方針を継続するとした。日銀の決定は、日本と他の主要国の金利との大きな差を維持することになり、円は対ドルで34年ぶりの安値を更新した。

農林中金総合研究所の南武志主席研究員は、日銀は「買い入れ減額のタイミングを見ている」のだろうと述べ、インフレが高止まりする中、いつまでも残高を維持することはなく、早ければ7-9月ぐらいから量的引き締めが始まってもおかしくないと言う。

植田和男総裁は、日銀は将来のどこかの時点で国債買い入れ額を減らすと述べてきた。日銀は昨年末時点で国債発行残高の54%を保有している。

ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、スティーブン・チウ氏とチャン・チュンユー氏はリポートで、「日銀は『ステルステーパリング』と呼ばれる方法で、水面下で国債の買い入れを減らす可能性がある」との見方を示した。

10年物国債利回りは一時4ベーシスポイント上昇して0.93%と、昨年11月以来の高水準になった。

(c)2024 Bloomberg L.P.

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最終更新:4/26(金) 16:26

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