S&P、フランスの格付けを「AA-」に据え置き
Gabriel Stargardter
[パリ 29日 ロイター] - スタンダード&プアーズ(S&P)は29日、フランスの長期国債の格付けを「AA-」に据え置いた。
見通しも安定的で変更なしとした。同社は5月、財政赤字拡大を理由にフランスの格付けを「AA」から引き下げ、見通しはネガティブから安定的に修正した。
S&Pは「大規模赤字を削減できない場合や、経済成長が長期間当社の予測を下回る場合、格付けを引き下げる可能性がある」と警告。一方で「基本的には、当局は来年、高水準の財政赤字縮小に向けた中期計画の一環として国内総生産(GDP)比1%弱の財政再建を進めると予想している」と指摘した。
S&Pの格付け据え置きは、政権維持が危ぶまれるバルニエ首相にとって朗報となる。極右や左派の反対勢力は2025年予算案の支持を拒否し、法案承認に向けた選択肢がほとんど見当たらない状況となっている。
アルマン経済・財務相は「S&Pの格付け据え置きは、赤字削減と財政立て直しに対する政府の信用を示している。一方で政治的不確実性に伴うリスクを指摘している」との声明を発表した。
ロイター
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最終更新:11/30(土) 11:05