「申請するだけでもらえるお金2024」生活苦を乗り切る“異次元の活用法”とは?

4/23 16:02 配信

ダイヤモンド・オンライン

● 家計はいよいよ厳しいが 驚くほど手厚い家庭支援も

 今春、多くの企業では賃金が上昇したとはいえ、物価高、金利上昇の中で子育てや住宅ローンの返済に追われる世帯は多い。大きな出費をできるだけ抑えて家計を助ける方法の一つとして注目を集めているのが「申請するだけでもらえるお金」。

 「今、政府が特に力を入れているのが『異次元の少子化対策』で、新年度は子育て関連の給付金・助成金が拡充されています。ご自身のライフステージに沿って該当する制度があるのか、探してみることをお勧めします」
 
 そうアドバイスするのは、全国の助成金、補助金に関する情報を提供するウェブサイト「助成金なう」を運営する、ナビット助成金事業部の富永雅彦さん。

「助成金なう」(https://www.navit-j.com/service/joseikin-now/)
「国・自治体案件」の「個人向け案件」にチェックして、キーワードを入力すると、調べたい補助金、助成金が出てくる。
 その「異次元の少子化対策」は、「両立支援・働き方関連」、「保育・幼児教育」、「児童手当の拡充」「その他の給付拡充策」の4つに分けられ、特に子育て関連は手厚い施策になっている。

「23年4月から出産育児一時金が42万円から50万円に引き上げられています。さらに26年度頃には出産費用は保険適用になることが検討されています。新年度で注目したいのは『児童手当』です。児童手当の給付期間が、お子さんが中学生修了前から高校修了(※1)
までに延長されます。(※1)

18歳の誕生日以降の最初の3月31日まで また、世帯の所得制限も撤廃され、高校生の子どもを養育している全世帯が対象になります。子育て期間のなかで最も教育費がかかる時期なので、新年度から高校3年生のお子さんがいる世帯は忘れないで手続きをしましょう」(富永さん、以下同)

 教育費で最も費用がかかるのが大学の学費。目指す大学や学部、居住エリアや通学方法によって差はあるが、授業料などの入学費用と4年間の在学費用を合わせた総額は国立大学で481万円、私立大学文系690万円、私立理系822万円にもなる(日本政策金融公庫「令和3年度 教育費負担の実態調査結果」)。

 大学、短大、高等専門学校などに通う学生が受けられる返済型不要の「給付型奨学金」は、年収要件が大幅に拡大される。現在は世帯収入が380万円未満と対象者は限られていたが、新年度からは世帯収入600万円未満に引き上げられた。

 最大で月額7万5800円(私立大学・短大・専修学校、自宅外通学の第1区分)で、家族構成と世帯収入によって第1区分から第3区分に分けられ、給付額は私立か公立、通学条件などによって異なる。
従来の奨学金をすでに受けている人や条件が合わなかった人でも条件によっては「給付型奨学金」が活用できるので、再度、文部科学省のホームページなどで確認してみよう。

 「2025年度からの実施を視野に国が推進しているのが、『第3子以上大学無償化』です。3人以上の子どもがいる世帯の大学生などを対象に、最大年額70万円の給付が受けられることになるそうです。しかも所得制限を設けないで、扶養する子どもが3人以上いる世帯では、第1子から無償化の対象になります。

 ただし、第1子が卒業後に扶養から外れると、扶養する子どもは2人になり支援の対象外になるので、今から確認しておく必要があります」

● 若者夫婦世帯の救世主 住まいの2大目玉政策

 住まいの目玉政策は2つある。「子育てエコホーム支援事業」と「住宅省エネ2024キャンペーン」だ。

 「子育てエコホーム支援事業」(https://kosodate-ecohome.mlit.go.jp/)は、若者夫婦世帯または子育て世帯を対象に、高い環境性能を備えた長期優良住宅なら最大で1戸あたり100万円の補助金が受け取れる。

「若者夫婦世帯」とは、申請時点で夫婦であり令和4年4月1日時点でいずれかが39歳以下の世帯を指す。また、「子育て世帯」は令和5年4月1日時点で18歳未満の子どもがいる世帯(※2)
など、支給対象は限られている。 「建築価格が高騰しているので、少しでもコストを抑えたいと思う人も多いでしょう。ただし、注意が必要なのは、制度が利用できる事業者が決まっているので、この制度を利用して家を建てたい、リフォームをしたいと思ったら、住宅メーカーや工務店が『エコホーム支援事業者』かどうか、ホームページで確認することが先です。エコホーム支援事業者が申請を行い、補助金を受け取ります。他の補助金と併用できないケースもあるので、近くのエコホーム支援事業者に相談しましょう」

 住宅のリフォームに関しては、子育てや「若年夫婦世帯」以外の世帯も利用できる。さらに、住宅の断熱性を高めるために窓のリフォームを支援するのが「先進的窓リノベ2024事業」。断熱窓への改修を促すため、一戸あたり5万円から最大200万円までの補助が受けられる。

(※2)工事着手が令和6年3月末までの場合は令和4年4月1日時点で18歳未満でも対象

 また、高効率給湯器を新築住宅に導入、または交換を検討したいのであれば、全世帯対象の「給湯省エネ2024事業」を検討してみよう。家庭用燃料電池(エネファーム)は1台18万円、ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯器(ハイブリッド給湯機)は1台10万円、ヒートポンプ給湯機(エコキュート)は1台8万円が助成される。

 「子育てエコホーム支援事業」の新築住宅と「窓リノベ」「給湯省エネ」の2つの事業は併用できないが、リフォームは併用できる。

 仮に、子育てエコホーム支援事業のリフォーム60万円、先進的窓リノベ200万円、給湯省エネ18万円をすべて申請して補助を受けたとすると、最大で約280万円にもなる。

● ライフステージごとに使える 助成金・補助金を常にチェック

 「『こども未来戦略』では、子どもの成長段階別に主な施策が盛り込まれているので、ライフステージごとにどんな助成金・補助金が活用できるのか探してみましょう(イラスト図)。また、自治体でも個別に助成金を設定しているケースが多いので、あきらめないでお住まいの自治体のホームページからも探すことをお勧めします」

 補助の対象は同じでも、自治体によっては所得制限や対象年齢が定められている場合がある。また、助成金・補助金が指定の口座に入金されるまでには数カ月かかるので、振り込まれるまでの手順などもきちんと押さえておきたい。

 少しでも支出を抑える必要があるなか、家計を助けてくれる制度を上手に使い、生活に役立てよう。

「助成金ブログ」https://joseikin-now.jp/
 (ジャーナリスト 村田くみ)

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最終更新:4/23(火) 18:32

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