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首都圏「中高一貫・男女別学校」注目の新校長人事、栄光学園、本郷、鴎友学園女子、湘南白百合…【中学入試2025】

5/9 19:02 配信

ダイヤモンド・オンライン

 前回は、首都圏中高一貫共学校の新校長人事を見た。今回は男女別学校である。女子校が多く、うち2校は校名変更、男女共学化に踏み切る流れだ。2024年の新校長にとって、志願者を維持・増加させることが大きなミッションとなりそうだ。(ダイヤモンド社教育情報)

● 男子中高一貫校の新校長

 前回は共学校を取り上げた。今回は男女別学校である。中高一貫校の校長の定年は65歳もしくは70歳のところが多い。60歳で定年となった公立高校の校長が、私立校の校長職に就く傾向は昔からよくあった。 

 ここ数年目立つのは、70歳を過ぎてから新たな学校の校長に就く例が見られることだ。高齢化の進行なのか、余人をもって代えがたいのか、まだまだ元気でやる気に満ちているのか、理由は人それぞれなのだろう。また、外国人校長も目に付くようになってきた。国際化や多様性確保の動きを反映したものなのか、新味を出したいという理事会の意向なのだろうか。

 東京の男子校では、豊島区にある2校で校長が交代した。高松松平家当主が創立した本郷は、今では難関校の併願先として多くの受験生を集めている。10代目となる新校長の木村友彦氏は国語科教員で、教頭、副校長を経ての就任である。8年間校長を務めた佐久間昭浩氏の後を継ぐ。立教大学と同じ池袋キャンパス内にある立教池袋では、豊田由貴夫氏の任期満了に伴い、吉野光氏が新校長となった。

 神奈川でも鎌倉市にある二つの男子校で新校長が誕生した。栄光学園は同校卒業生で、副校長の柳下修氏が昇格した。鎌倉学園は教頭の武田隆氏が昇格した。武田氏は高校の野球部を32年間にわたって指揮してきた監督として全国的な知名度がある。前任の松下伸広氏は2年で交代となった。

 男子校の校長交代は少なかったが、ここで東京にある二つの女子校を取り上げたい。いずれも共学化し、校名も変更される流れとなっている。東京女子学院(練馬区)は25年度から英明フロンティアに校名を変更する。まず高校が共学化し、中学での男子生徒の募集は26年からを予定している。新校長の大井俊博氏は剣道七段の保健体育科教員で、都立鷺宮と都立両国の校長を経験、昭和学院(千葉・市川市)の校長を経ての就任となった。

 系列に東京女子体育大学(国立市)がある吉祥寺の藤村女子(武蔵野市)は、学校法人井之頭学園理事長で、創立者一族の高橋あゆち氏が校長も兼任することになった。体操選手を輩出してきた女子校から、共学化を目指している。校名変更や共学化も辞さない覚悟で学校の大改革を行っている最中であり、どのような学校に変わろうとしているのか、今後の方針表明が待たれる。 

● 女子中高一貫校の新校長

 女子校は、埼玉の上位校である淑徳与野(さいたま市中央区)から見ていこう。24年入試で女子の理系志向に向き合う「医進コース」を設けて受験生の獲得に成功した。浄土宗の学校であり、学校法人大乗淑徳学園で唯一の女子校でもある。理事も兼ねていた里見裕輔前校長から引き継ぐ新校長の黒田貴氏は国語科教員で、副校長からの昇格となる。 

 東京では、準難関校の鴎友学園女子(世田谷区)も理系志望者が在校生の半分近くに達している模様だが、新校長の柏いずみ氏は教頭からの昇格となった。同校の名誉校長の吉野明氏は芝国際の新校長に就いている。

 山種証券の創業者が創立した富士見(練馬区)も東京理科大学と高大連携協定を結ぶなど理系への進学に力を入れている。新校長の善本久子氏は公立中高一貫校である都立白鴎の統括校長を務めて定年となった後、鎌倉女子大学教授となり、中教審委員も務め、再び中高一貫校の現場に戻ってきた。

 ちなみに、鎌倉女子大は付属の中学部と高等部が26年度から共学化する。新しい校名は「鎌倉国際文理」で、神奈川にも“国際”を冠したリニューアル校が誕生する。

 大妻中野(中野区)では、国際化を担ってきた教頭の諸橋隆男氏が昇格した。帰国生も多い「グローバルリーダーズコース」の卒業生が同校の進学実績をリードする。

 湾岸系ブームに乗ったのか、最近人気上昇中の中村(江東区)は校長を外部から招聘(へい)することが続く。前校長の藤村富士男氏は専修大学附属高校(杉並区)の校長から4年前に転じたが、新校長の遠藤行巳氏も千葉商科大学付属高校(市川市)の校長からの就任となる。

 最近、都営唯一の路面電車である荒川線沿線の中高一貫校の人気が上向きだが、北豊島(荒川区)もその一校だろう。入試広報などを務めた安達剛氏が18代目の校長となった。

 日本大学豊山女子(板橋区)の黛俊行氏は中学教頭から就任した。新校舎が系列の男子校である京華と共学校の京華商業と同じ敷地に竣工した京華女子(文京区)は、教頭の山中秀樹氏が昇格した。前校長の塩谷耕氏は学校法人京華学園の理事となった。

 白梅学園清修(小平市)の中高一貫部の新校長である南和男氏は、公立中高一貫校である都立武蔵の校長から転じた。ちなみに高校校長の武内彰氏も都立日比谷高校の元校長だ。

 ここからはカトリック校が続く。晃華学園(調布市)では、修道女でもある前校長の西山恵子氏の後任は大島正克氏となった。元亜細亜大学学長の会計学者で、学校法人晃華学園の監事や事務局長などを務めてからの就任となった。1948年生まれであり、今年の新校長の中では最高齢の76歳となる。

 神奈川では、捜真女学校(横浜市神奈川区)は中学部教頭から島名恭子氏が新校長に。湘南白百合学園(藤沢市)の新校長には数学科教員の岩瀬有子氏が就いた。前任の林和氏は同校で初めての修道女ではない校長として入試改革を進め、志願者増を実現している。ちなみに北海道にある姉妹校の函館白百合学園では光井稚香子氏が新校長に就任した。

ダイヤモンド・オンライン

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最終更新:5/9(木) 19:02

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