日銀理事に神山氏が昇格、企画担当は加藤氏-女性は再び不在に

5/13 10:44 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 日本銀行は13日、神山一成国際局長が理事に昇格する人事を発表した。鈴木俊一財務相が11日付で任命した。理事の担当も変更され、金融政策の企画・立案を担う企画局は加藤毅理事が担う。女性の理事は再び不在となる。

神山氏は10日付で退任した清水季子理事の後任となり、大阪支店長を兼務する。同氏は黒田東彦前総裁が就任直後の13年4月に大規模な量的・質的金融緩和政策に踏み切った当時の企画局政策企画課長で、調査統計局長や決済機構局長も務めた。

加藤理事は企画局、金融市場局、決済機構局(決済システム課)を担当する。政策企画課長や企画局長といった企画畑を主に歩み、金融政策に精通した同氏が企画局を担うことで、植田和男総裁の下で3月に正常化に踏み切った金融政策運営に万全を期す。

清水季子氏が担当していた国際局と国際関係統括は清水誠一理事が引き継ぐ。大阪支店長を兼務していた中島健至理事は政策委員会室などを担当する。

女性活躍

清水季子氏は、10年に女性初の支店長(高松支店)に就任するなど常に日銀の女性総合職の先頭を走ってきた。昨年のフォーブスの「世界で最も影響力のある女性100人」で56位にランクされた。日本人でランキングに入ったのは、57位だった小池百合子東京都知事と2人だけだった。

今回の人事で現在6人の理事に女性はいなくなり、日銀のジェンダー・ダイバーシティが後退する形となる。日銀はシンクタンクの公的通貨金融機関フォーラム(OMFIF)の「ジェンダーバランス指数2024」の中央銀行部門で156位にとどまる。

金融政策決定の議決権を有する9人の政策委員のうち、女性は中川順子審議委員だけで、正副総裁に女性が就いたことはない。米欧の中央銀行では、前連邦準備制度理事会(FRB)議長のイエレン氏や欧州中央銀行(ECB)総裁のラガルド氏といった女性のトップが既に誕生している。

日銀広報課は、今回の理事の任命について具体的なコメントは差し控えるとしつつ、ダイバーシティの推進を重要な経営課題の一つと位置付けていると指摘。女性活躍の推進が重要な課題と認識しているとし、女性活躍推進法に基づいて策定した行動計画の下で、積極的な採用や登用等に取り組んでいる、と説明した。

神山 一成氏(かみやま・かずしげ)1990年東大経卒、日銀入行。2017年米州統括役、19年調査統計局長、20年決済機構局長などを経て、23年3月から国際局長。東京都出身。57歳。

(c)2024 Bloomberg L.P.

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最終更新:5/13(月) 20:01

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