【ニューヨーク時事】17日午前のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利下げ開始観測が後退する中、需要減退への懸念から、続落している。米国産標準油種WTIの中心限月5月物は午前10時40分現在、前日比0.80ドル安の1バレル=84.56ドル。
FRBのパウエル議長は16日のパネル討論で、最近の経済指標を踏まえれば、インフレ鈍化の確信を得るには「想定しているよりも長くかかる可能性がある」と述べ、現行の政策金利を当面維持することを示唆した。高金利環境が長期化すれば、経済成長の鈍化を招き、エネルギー需要減退につながるとの懸念が広がる中、この日の原油相場は売りが先行している。またエネルギー消費大国の中国で、一部を除き軟調な経済指標が相次いでいることも、相場の下押し要因となっている。
イスラエル政府は17日、同国を攻撃したイランへの報復措置について、詰めの協議を行ったもよう。ただ国内外で自制を求める声も上がっており、イスラエル政府は最終的な結論を出せていない。
米エネルギー情報局(EIA)が発表した12日までの1週間の米石油在庫統計によると、原油在庫は前週比270万バレル増となり、市場予想(140万バレル増=ロイター通信調べ)を上回る積み増しとなった。また、ガソリン在庫は120万バレル減と予想の90万バレル減を超える取り崩しだった。強弱まちまちな統計を眺めて、相場は売り買いが交錯している。(了)
時事通信
最終更新:4/18(木) 0:25
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