〔NY石油〕WTIもみ合い、78ドル台（8日午前）

【ニューヨーク時事】8日午前のニューヨーク商業取引所（NYMEX）の原油先物相場は、強弱まちまちな材料を眺めて、もみ合いとなっている。米国産標準油種WTIの中心限月6月物は午前10時45分現在、前日比0．05ドル高の1バレル＝78．43ドル。
　パレスチナ自治区ガザでの戦闘休止と人質解放に向けた間接交渉で、仲介に当たる米国のバーンズ中央情報局（CIA）長官は8日にイスラエルを訪れ、ネタニヤフ首相と会談した。イスラエルとイスラム組織ハマスの双方が受け入れ可能な案を練り、ネタニヤフ氏を説得することが狙い。訪問を前にカービー米大統領補佐官（広報担当）が7日、双方の隔たりは「完全に乗り越えられる」と語ったことから、市場では休戦実現への期待が高まり、朝方は軟調に推移。外国為替市場でドルがユーロに対し上昇したことを受け、ドル建てで取引される原油の割高感も意識された。
　その後、米エネルギー情報局（EIA）が午前に発表した3日までの1週間の米石油在庫統計では、原油在庫が前週比140万バレル減と、市場予想（110万バレル減＝ロイター通信調べ）を上回る取り崩しとなった。需給の引き締まりが意識され、相場は徐々に下げ幅を縮小し、プラス圏に転じている。（了）