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「ペット禁止」の単身者マンションで犬を飼い「惨い吊し上げ」を受けた、飼い主の末路…首輪に電流を流し、声帯を切断した

4/3 8:02 配信

マネー現代

マンションのトラブル、第1位は「騒音」

(文 松本 洋) 国土交通省の平成30年度のマンション総合調査では、マンション内のトラブルは『生活音』が38%と最も多く、そのトラブルの処理方法は、『マンション管理業者に相談した』が46.5%、次いで『当事者間で話し合った』が19.4%となっています。

 一方、私のところへ寄せられる騒音トラブル相談をタイプ別でみると、最も多いのが『足音が響く(ドタバタ音)』。『声がうるさい(歌声)』、『飲み会、宴会が騒がしい』、『大音量の音楽やテレビの音量」と続き、その他ピアノ、ギターなど楽器の音、洗濯機や掃除機の音、ペットの鳴き声と様々です。

 分譲マンションでも投資用のいわゆるワンルームマンションには、単身でお住いの方が多く、ライフスタイルもファミリータイプのマンションと異なります。

 そのなかでも特に多い苦情が、深夜や早朝における洗濯機の脱水時の振動音、掃除機の音などの生活音といわれています。

 最近の報告事例では、ペットの鳴き声による騒音トラブルでした。

 そもそも管理規約で、ペットの飼育が禁止されているマンションにも拘わらず、隠れて中型犬を飼い始めた入居者がいたのです。その犬がインターフォンや電話の音に反応し、無駄吠えする大きな鳴き声でがうるさいという苦情でした。

 隣接する住戸や上下階の住戸からの苦情に、マンション管理組合の理事会も犬の飼い主に注意喚起しなければなりません。

 ペットの飼育に対して管理組合では、飼育している中型犬を処分するにはあまりにも惨いという動物愛護精神から、『現時点で飼育しているペットは一代限りで飼育を認める』という結論に至りました。

 しかし、実際に騒音のトラブルに発展している手前、その飼い主には対して『飼い主には厳重に申し入れてほしい』という厳しい意見が飛び交い、飼い主にその旨をまとめた誓約書を提出させることで、その場は収まりました。

厳しい状況に追い込まれた飼い主

 飼い主は総会での誓約書に従い、ドックトレーナーとともに犬の躾のトレーニングを始めましたが、すぐに無駄吠えが収まるはずもなくやむを得ずに吠えると電流が流れる首輪を犬にはめることで無駄吠えをやめさせていたそうです。

 そのかいもあって、無駄吠えはだいぶ改善されたそうですが、騒音トラブルの解決で難しいのは、一度気になると、どんな小さな鳴き声でも敏感に反応してしまう方もいらっしゃるところです。

 周辺住民のなかには「また吠えている」、「誓約書を書いたのに守っていないじゃないか」と感情的になる方もなかにはおり、どんどんエスカレートして「犬を手放すか、転居するかどちらかにしてほしい」というさらに厳しい苦情が入り、再び理事会が開かれました。

 総会ではペット飼育に猛反対している理事の強硬な意見も相まって、最終的に飼い主は犬の声帯の切除手術をぜざるを得ない状況に追い込まれてしまいました。

 軽い気持ちで規約に違反しペットを飼ったことによって、そのしわ寄せが何の罪もない動物に向かったのです。分譲マンションは、多種多様のたくさんの人が暮らす村のようなものです。

 「このくらいいいだろう」という気持ちでルールを破ってしまうと、取り返しのつなかい事態に陥る可能性も住民は考えなければなりません。

 女性の4人に1人、男性の5人に1人は70歳以上と言われる現在、国土交通省の平成30年度のマンション総合調査では、完成年次が古いマンションほど70歳代以上の世帯主の割合が高く、昭和54年(1979年)以前に建てられたマンションにおける70歳代以上の世帯主の割合は、約47%と、約半数が70歳以上の世帯主です。

 このような高齢者の多いマンションでは、テレビの音量に対する苦情が多発しています。エアコンは「電気代がもったいない」と使わない高齢者は多いですが、テレビは夏場に高校野球中継、大相撲中継など窓を開けて大音量で聞いているので、近所迷惑にもなるのです。

 また、高齢者が多く住むマンションのなかには認知症が疑わしい住民もおり、それによってこれまでの生活が一変してしまうような想定外トラブルに巻き込まれる事態が多発しています。

 そんなトラブルのなかでも、しばらく前にご相談に訪れた一人暮らしの長原さん(仮名・70代・男性)からのご相談は本当に深刻なものでした。

 2年ほど前に、娘とともに隣の住戸に引っ越してきた80代の母親が、玄関のすぐ目の前の共有廊下で「うるせー! 馬鹿やろうー!!」、「てめぇー! ふざけんなっ! この野郎!」怒鳴り散らしたあとに自宅に戻り、鍋や壁を「ドンドン」と叩きながら大暴れするというのです。

 この母親は認知症を患っているのか、幻聴が聞こえたり、幻覚、妄想が始まるようで、決まって夜中と朝方に罵声を上げ、長原さんはほとほと困り果てたご様子でした。

 認知症が疑わしいこの女性にマンション管理組合も弁護士も対策を講じる打つ手はなく、しばらく我慢の日々が続きましたが、あることをきっかけに事態が急変しました。その詳細は<【後編記事】70代の男性が青ざめた…隣の部屋に住む「妄想に取りつかれた老婆」が大暴れの末に巻き起こした「最悪の事態」>で明かします。

マネー現代

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最終更新:4/3(水) 8:02

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