アクティビストの米エリオット、住友商事に数百億円投資-関係者

4/28 18:47 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): アクティビスト(物言う投資家)として知られる米ヘッジファンド運営会社エリオット・マネジメントが、総合商社住友商事の株式に数百億円規模を投資したことが明らかになった。事情を知る関係者が非公開情報であることを理由に匿名で明かした。

関係者によると、エリオットは住友商と企業価値向上策について協議した。エリオットは直近では三井不動産に投資して保有資産売却や自社株買いを求め、三井不の4月の資本効率化計画を歓迎する声明を出した。他に大日本印刷を含めてバリュエーションが割安で株主還元余力があると見られる企業に投資している。ソフトバンクグループに投資した2020年頃から、日本国内での投資を活発にしている。住友商事の時価総額は4兆7810億円(26日時点)。

住友商を含む日本の5大商社の株価は、著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる米投資・保険会社バークシャー・ハサウェイによる投資が明らかになった2020年以降、資源価格高なども手伝い大幅に上昇している。コロナ以前の2019年末からの比較では住友商は5社で上げ幅が最も小さく、直近の株価収益率(PER)や株価純資産倍率(PBR)も最低となっている。

東証による「資本コストや株価を意識した経営」の要請を受けて、日本企業の間では株主還元を積極化する動きが活発化している。総合商社の間でも、2月に三菱商事が発行済み株式総数の10%に相当する5000億円の自社株買いを発表したほか、伊藤忠商事も4月に2024年度の自己株買い1500億円に加えて、総還元性向50%をめどとすることなどを含む経営計画を発表し、ともに大幅な株価の上昇につながった。

住友商の23年度決算発表は5月2日に予定されており、併せて公表されると見られる中期経営計画が市場の注目を集めている。

ブルームバーグの問い合わせに対してエリオットの報道担当者は、特にコメントはないと回答した。住友商の広報担当は、個別の株主についてのコメントは差し控えるとした。

(c)2024 Bloomberg L.P.

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最終更新:4/28(日) 19:34

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