(ブルームバーグ): 米銀Pモルガン・チェースは、1-3月(第1四半期)の純金利収入がアナリスト予想をわずかに下回った。また、通年の経費見通しを引き上げた。この発表で株価は下落した。
12日の発表によると、1-3月の純金利収入(NII)は前年同期比11%増の231億ドル(約3兆5400億円)となった。通年のNII見通しは約900億ドルで据え置いたが、市場事業を除く同収入見通しは約890億ドルに引き上げた。一方、調整後の経費は910億ドル程度と、従来の見込みよりも膨らむ見通し。
ジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は発表資料で「多くの経済指標は引き続き良好だ。しかし今後を展望すると、重大な不確定要素が多数存在することに対し警戒を続ける」とコメント。戦争、地政学的緊張の高まり、インフレ圧力の持続、量的引き締めの影響などを挙げた。
「これらの要素がどのように作用するかは分からないが、常に顧客の役に立てるよう、起こり得る幅広い環境に対して準備しなければならない」と表明した。
この決算に先だって10日発表された米インフレ指標は予想を上回った。ダイモン氏は数カ月前から、インフレは市場が予測するよりも根強い可能性があると警告しており、8日に発表した年次株主書簡の中で、同行は2-8%、「あるいはそれ以上 」の金利に対応する用意があると説明した。
株価はニューヨーク市場開場前の時間外取引で約4%下落した。
JPモルガンはまた、1-3月に7200万ドルの引当金を戻し入れた。アナリストは5億5600万ドルの積み増しを予想していた。
さらに期中には、昨年の米銀2行の破綻に関連した連邦預金保険公社(FDIC)の追加査定で7億2500万ドルの費用が発生した。
投資銀行部門の収入は20億ドルで、アナリスト予想を上回った。市場部門の収入は5%減と予想より小幅な落ち込みだった。株式と債券のトレーディング収入はともに予想を上回った。
原題:JPMorgan Shares Fall After NII Miss, Higher Expense Guidance(抜粋)
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最終更新:4/12(金) 21:34
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