Astar zkEVMの巻き戻し問題、「正常復帰」「ユーザーの資産は安全」と発表

4/18 20:36 配信

CoinDesk Japan

ゼロ知識証明を利用したイーサリアムL2のスケーリングソリューション「Astar zkEVM Powered by Polygon(以下、Astar zkEVM)」でネットワークの巻き戻しが発生した。4月6日から8日までにあった取引の一部が取り消されることになり、ユーザーから資産への影響を心配する声が出た。


Astar Networkの公式発表によると、問題の原因はイーサリアムL1のリオーグ(再編成)に遡るという。現在、問題は解決済みでAstar zkEVMのネットワークは問題なく動作しており、「ユーザーの資産は安全」としている。


Astar zkEVMはローンチキャンペーン「Yoki Origins」を展開中で、40を超えるWeb3プロジェクト、クリエイター、大企業が提供するNFTをカプセルトイ形式で配布・販売していたが、一時的に休止された。自動車メーカーのマツダは、初のデジタルアートコレクション「Meta-Mazda」をYoki Originsを通じて数量限定・期間限定で販売すると5日に発表したところだった。


ローンチキャンペーンは14日に再開され、ダウンタイムのお詫びとしてゲーム内アイテム「OMA」が配布された。

巻き戻しの原因

Astarの発表によると、問題は4月6日に発覚した。原因を調査したところ、イーサリアムで起きたリオーグに関連して、Polygon zkEVMスタック内で技術的な問題が発生し、それがAstar zkEVMにも影響を及ぼしていた。3月にはPolygon zkEVMでも同様の問題が生じていたという。


2024年3月にローンチした「Astar zkEVM」は、Polygonが提供するチェーン開発セット(CDK)を利用して開発された。


この問題に対処するため、Astar zkEVMメインネットは4月8日にPolygon CDKのアップグレードを実施し、ネットワークの再編成、ブロックエクスプローラーの再インデックス化、パーミッションレスノードの再同期などを行った。この対応により、Astar zkEVMのネットワークは正常化した。


Astarは4月14日の発表で「巻き戻し」の影響を被ったユーザーへの補償について「対処済み」とした。ただし、サードパーティブリッジについては現在対応中のところもあるため、まだ何か問題が生じている場合は、サードパーティブリッジ側に問い合わせてほしいとしている。


Astarは透明性確保のため、近日中に包括的な根本原因分析(RCA)報告書を公開する予定。今回の事態についてはPolygon側と協同して調査・対応を進めており、今後も状況をアップデートしていくとしている。


【参考】(10日の発表)https://x.com/AstarNetwork/status/1778714666119671821https://forum.astar.network/t/astar-zkevm-network-upgrade-report/6633(12日の発表)https://x.com/AstarNetwork/status/1779243922683760812https://forum.astar.network/t/astar-zkevm-network-upgrade-report/6633/43(14日の発表)https://forum.astar.network/t/astar-zkevm-network-upgrade-report/6633/49


|文:渡辺一樹|編集:増田隆幸|画像:Astar NetworkのWebサイト(キャプチャ)

CoinDesk Japan

最終更新:4/18(木) 20:36

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