中国に対抗、鉄鋼保護鮮明に=USスチール、今後も「米企業」―大統領

4/18 9:00 配信

時事通信

 【ワシントン時事】バイデン米大統領は17日、東部ペンシルベニア州ピッツバーグの全米鉄鋼労組(USW)本部で演説し、中国が自国の鉄鋼産業に巨額の補助金を拠出していることに触れ、「中国は競争をしていない。不正をしている」と痛烈に批判した。米鉄鋼業を米国を支える「背骨」と表現し、中国に対抗して保護を強める姿勢を鮮明にした。
 当地に本社を置く米鉄鋼大手USスチールについては「米企業であり続けるべきだ」と述べ、日本製鉄による買収計画に反対する方針を改めて強調。「米国人が所有し、米鉄鋼労働者によって操業される。約束する」と明言した。買収にはUSWも反対している。
 バイデン氏は演説で、中国政府が巨額の補助金をつぎ込み、「できる限り多くの鉄鋼を生産するよう促した」と過剰生産を批判。正式な調査で非競争的な政策が確認されれば、トランプ前政権が通商法301条に基づいて課した中国製の鉄鋼とアルミへの制裁関税を現行の3倍に引き上げることを検討すると表明した。
 ペンシルベニア州は、11月の大統領選を左右する激戦州。鉄鋼業や労組に寄り添う姿勢を示すことで、労働者層からの支持を固めたいとの思惑がある。
 トランプ前政権による制裁関税は、中国と互いに関税をかけ合う事態に発展した。バイデン氏は記者団に「貿易戦争にはならない」と語ったが、中国側は「米国の単独主義、保護主義を体現している。貿易問題の政治利用だ」(在米大使館報道官)と反発を強めている。 

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最終更新:4/18(木) 13:26

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