【遺族厚生年金】「5年で打ち切り」はいつから始まる?見直しの対象となる人・見直しの影響を受けない人とは?

2/8 14:25 配信

LIMO

「遺族厚生年金が5年で打ち切られるらしい」

そんな話を耳にし、不安を感じている人も少なくないでしょう。

確かに、2025年に成立した年金制度改正法では、遺族厚生年金の給付のあり方が見直され、2028年4月以降、条件によっては5年間の有期給付となるケースが生じます。

ただし、すべての人が一律に「5年で終了」するわけではなく、年齢や子どもの有無、収入状況などによって取り扱いは大きく異なります。

本記事では、遺族厚生年金の見直しがいつから、誰に影響するのかを整理し、「引き続き受け取れる人」と「有期給付となる人」の違いをわかりやすく解説します。

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遺族厚生年金「5年で打ち切り」はいつから始まる?

2025年に成立した年金制度改正法には、遺族厚生年金の給付のあり方を見直す規定が盛り込まれており、2028年4月から施行される予定です。

この見直しでは、若年層の配偶者が亡くなった場合の給付のあり方を見直し、終身給付から「一定期間(有期給付)」中心の設計へシフトさせる方向性が示されています。

まず、現行制度の給付内容は以下のとおりです。

 ・夫を亡くした妻が30歳未満:5年間の有期給付
 ・夫を亡くした妻が30歳以上:無期給付
 ・妻を亡くした夫が55歳未満:給付なし
 ・妻を亡くした夫が55歳以上:60歳から無期給付
このように、遺族厚生年金の仕組みには男女差がありましたが、2028年からは以下のように男女共通の条件が設けられる見込みです(女性は段階的に実施)。

 ・60歳未満で死別:原則5年間の有期給付(配慮が必要な場合は5年目以降も給付を継続)
 ・60歳以上で死別:無期給付
※いずれも子どもがいない場合。子どもがいる場合は、18歳になった年度末までは現行制度と同様。超えた後から原則5年間の加算によって増額された有期給付+継続給付となる。

見直しの対象となるのはどんな人?

見直しの施行後に原則5年間の有期給付となるのは、以下の方です。

 ・18歳年度末までの子どもがいない、2028年度末時点で40歳未満の女性(20代についてはすでに5年間の有期給付となっているため、新たに対象となるのは30代の女性となります。)
一方、以下の方は新たに5年間の有期給付を受けられることになります。

 ・18歳年度末までの子どもがいない20~59歳までの男性
●「5年有期給付」の中身はただ打ち切るだけではない
今回の遺族厚生年金の見直しをめぐっては、制度の公平性や生活保障の観点から、複数の課題が指摘されています。

それに対し、厚生労働省は以下のように公表しています。

まず、改正後に5年間の有期給付となる対象者には、一定の加算措置(有期給付加算)が設定されます。

この措置により、当初の5年間は従来の年金額より手厚い水準(約1.3倍)で給付される予定です。

さらに、5年の有期給付が終了しても、下記のようなケースでは継続給付が用意され、給付が続く可能性があります。

 ・障害の状態にある方(障害年金受給権者)
 ・収入が一定基準(単身で就労収入が月額約10万円程度)未満の方
この継続給付は、5年でいきなり給付がゼロになる制度ではなく、生活実態を見て支給が調整される枠組みです。

見直しの影響を受けないのはどんな人?

厚生労働省の資料によれば、以下(1)~(4)に該当する方は、改正後も変わりなく受給できることになります。

 ・(1)既に遺族厚生年金を受給している方
 ・(2)60歳以降に遺族厚生年金の受給権が発生する方
 ・(3)18歳年度末までのこどもを養育する間にある方の給付内容
 ・(4)2028年度に40歳以上になる女性
●子どもがいる場合の加算額が増額
18歳年度末までのこどもがいる場合、こどもが18歳年度末になるまでは現行制度と同じであり、見直しの影響はありません。

しかし、遺族基礎年金の「こどもがいる場合の加算額」が増額(年間約23万5000円→28万円)される見込みです。

まとめにかえて

遺族厚生年金の「5年打ち切り」という表現は、制度改正の一部だけを切り取ったものです。

2028年4月以降は、60歳未満で子どもがいない配偶者を中心に、原則として5年間の有期給付へ移行しますが、すべての人が対象となるわけではありません。

すでに受給している人や、60歳以上で受給権が発生する人、子どもを養育している期間中の給付などは、改正の影響を受けません。

また、有期給付となる場合でも、当初5年間は給付額が上乗せされ、収入や障害の状況によっては給付が継続される仕組みが用意されています。

ご自身の年齢や家族構成がどの区分に当てはまるのかを確認し、制度の全体像を正しく理解しておきましょう。

参考資料

 ・厚生労働省「遺族厚生年金の見直しについて」

加藤 聖人

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最終更新:2/8(日) 14:25

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