明日の戦略-後場に崩れて安値引け、買い手控えムードが強まる
21日の日経平均は反落。終値は230円安の37298円。米国株安を受けても上昇して始まり、開始直後には上げ幅を3桁に拡大。ただ、上値は重く、早い時間にマイナス圏に沈んだ。東京時間に入ってドル円が円高に振れたことから、10時以降はマイナス圏が定着。前場では下げ幅を3桁に広げると持ち直したが、後場に入ると下方向に勢いがついた。終盤にかけての動きが弱く、200円を超える下落となって安値引け。TOPIXはプラス圏で推移する時間が長かったが、こちらも終盤に崩れて下落で終えた。買いが先行したグロース250指数もマイナス圏に沈んでおり、9日ぶりに反落した。
東証プライムの売買代金は概算で4兆1900億円。業種別では鉱業、石油・石炭、パルプ・紙などが上昇した一方、保険、その他製品、電気機器などが下落した。中期経営計画を公表した三井金属鉱業<5706>が大幅上昇。半面、1Qが営業赤字となり、通期でも営業赤字を見込むブイキューブ<3681>が大幅に下落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり747/値下がり816。三菱重工、川崎重工、IHIの防衛大手3社がそろって大幅上昇。決算説明会が評価されたみずほが買いを集め、全市場の売買代金トップ10入りするなど商いも膨らんだ。円高に対する警戒が強まったものの、ホンダ、日産自動車、三菱自動車など自動車株には上昇する銘柄が多かった。グロース250指数の連騰はストップしたものの新興銘柄の物色は引き続き旺盛で、QPS研究所やispaceなど宇宙関連の動きが良かった。
一方、アドバンテストやディスコなど半導体株の一角が大幅安。任天堂、DeNA、ブシロード、バンクオブイノベーションなど、ゲーム関連に大きく売られるものが散見された。決算が失望を誘ったSOMPOが7.1%安。株式の売り出しを発表したグローバルリンクやヴィッツが急落した。
日経平均は反落。前引けは37円安(37491円)と小安い程度であったが、後場に入って下押し圧力が強まった。先週で決算発表がほぼ出そろって一気に材料難となる中、日米交渉を先に控えて為替市場では円高が進行と、買いを手控えたくなる要素が多い。日米の3回目の閣僚協議は日本時間24日の予定と伝わっており、今週いっぱいは不安定な動きが続くとみておくべきか。きょうの終値は37298円。あす大きく下げるようだと、金曜23日もリスク回避の売りに押されやすくなる。37000円割れを回避できるかが注目される。
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最終更新:5/21(水) 16:16