過剰債務や「分断」、焦点に=ブレトンウッズ会議80周年―IMF世銀会合

4/14 16:00 配信

時事通信

 【ワシントン時事】国際通貨基金(IMF)と世界銀行の設立が決まった1944年7月のブレトンウッズ会議から、今年は80周年を迎える。第2次世界大戦を教訓に国際協調を目指してつくられた両機関は、米中対立やロシアのウクライナ侵攻、中東情勢緊迫化に伴う新たな「分断」に直面。15日から始まるIMF・世銀の春季会合では、低所得国の過剰債務問題をはじめ、協調が不可欠な課題が山積している。
 IMF・世銀は会合で「低所得国支援に焦点を当てる」(ゲオルギエワIMF専務理事)見通しだ。コロナ禍からの低所得国の立ち直りが遅れる中、ロシアのウクライナ侵攻を受けた食料価格高騰が直撃。膨大な債務を抱え、インフラ開発や気候変動対策に必要な資金も不足している。
 20カ国・地域(G20)の議長国ブラジルとIMF・世銀は会合に際し、過剰債務国や債権国、民間債権者らが一堂に会した「円卓会議」を開催する。交渉が難航し、時間を要しがちな債務再編の円滑な実現を促す考えだ。
 ゲオルギエワ氏は11日の講演で、今回の円卓会議では「債務再編に向けた、明白で予測可能なスケジュールづくりなどを目指す」と強調した。
 再編のカギを握るのが、低所得国向けで最大の債権国となった中国だ。ゲオルギエワ氏やイエレン米財務長官は会合に先立って相次いで訪中し、過剰債務問題での中国との協力推進を模索した。
 コロナ禍以降、先進国と低所得国の格差は一段と広がった。バンガ世銀総裁は11日の記者会見で「低所得国を底上げするため、あらゆる可能な措置を実施する必要がある」と訴えた。イランによるイスラエルへの攻撃で中東地域の紛争が拡大し、原油高やインフレ再燃を招くなら、低所得国の苦境は深まりかねず、IMF・世銀の対応力が問われそうだ。 

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最終更新:4/15(月) 8:00

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